2017年は元旦からスターウォーズ

  • 2017.01.02 Monday
  • 17:50

 

暮れから続くおだやかな陽気で、ほんとうに良いお正月になりましたね。

旧年中は拙ブログにおつき合い頂きまして、ほんとうにありがとうございました。 みなさまのアクセスが励みになって、飽きっぽい私がどうにか3年半も書き続けて来られました。 今年もときどきのぞいてみてくださいね。

 

私は元旦生まれなので正月のたびに齢を取ります。 なので私にとってのお正月は、自分を見つめなおして成長と老化を評価するための、なかなか厳しい機会でもあります。

 

さて、子どもたちもみな成人してお正月はそれぞれの都合で過ごすようになったので、私ものんびり好きなように過ごさせてもらいました。 元旦は午前中から近所のシネコンで 「スターウォーズ ローグ・ワン」 を観てきましたヨ。

 

ご存知のようにスターウォーズシリーズはハリウッドのドル箱作品です。 題材は文字通り宇宙戦争。 40年前に最初の作品であるエピソード4が公開されたときには、共和制が崩壊して帝国制になった宇宙にふたたびデモクラシーによる共和制を取り戻すべく抵抗する反乱軍の活躍に正義を認めた、わりと分かりやすいテーマでした。 帝国軍の将校はナチス風の衣装に身を包んでおり、兵たちの呼称もストームトルーパー(ナチスの突撃隊シュトルムトゥルッペンが語源)で、いかにも第二次世界大戦の同盟国軍と連合国軍を象徴するような設定でした。 しかし映画公開当時は東西冷戦まっただ中でしたので、観客は帝国軍にナチスというより全体主義という共通点からソ連をはじめとする共産主義の国々を見ていたのではないでしょうか。 

 

それが時代が下って冷戦が終わり、スターウォーズもシリーズが進むにつれ、その主題は政治や戦争ではなく哲学的なことに変化していきます。 主役のひとりアナキンは 「愛する人を救いたい」 という純粋な思いが強い執着に変化していき、生前から授かる強大な力で自分の周りの状況をコントロールしようとしてダース・ベイダーとなり、宇宙のバランスに大きな影響を及ぼします。 

 

〇×を判定したり、優先順位を決めたりする能力を競わせる教育で育つ現代人に対して、世の中は正義と悪で出来ているわけではなく、それぞれの心の中には葛藤があるのが自然なことで、それをバランスさせることこそが絶対的な正義(フォース)であるというメッセージが伝わって来ます。 これってなんとなく古来の修験道や神道的な感覚ではないでしょうか。 日本刀風の武器であるライトセーバーや衣装を含め、そこここに日本の伝統的なアイコンが顔を出すことからも、監督のジョージ・ルーカスが精神性においても多分に日本の影響を受けていることがうかがえます。

 

近年日本のアニメがこれだけ世界で認められているということは、とりもなおさず日本人の精神性がリスペクトを受けているということですよね。 資源のない日本が輸出するべきはテクノロジーよりも、私たちの心の奥に伝わる高い精神性なのではないでしょうか。 それこそがフォースを受け継ぐ私たちの使命であるように思います。 そしてそれが世界の平和につながるという皮算用です。 て、何もしないくせにどんだけ大風呂敷やねん(笑)

 

ハナシが大きくそれてしまいましたが、ローグワンは過去の作品のような哲学的なメッセージはほとんど感じませんでした。 昨年公開されたエピソード7もそうでしたが、シンプルな戦争映画という感じ。 それでもスターウォーズファンならこれはぜったい観るべきです。単純におもしろい! 第1作であるエピソード4からまた1周見直したくなること請け合いです。 

 

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旧作映画な日々(その5) 邦画編です

  • 2016.12.28 Wednesday
  • 18:34

 

amazonプライムビデオを観はじめて3ヶ月が経ちましたが、もう40本近く観たでしょうか。 なんでこんなにハマッっちゃったんだか(^^;  ここのところは邦画づいてて数本続けて観ましたので、ご紹介させていただきます。

 

「しあわせのかおり」★★★☆☆

2008年公開。 中谷美紀主演ですが、実質的な主役は助演の藤竜也だと思います。

金沢のはずれにある小さな中華料理屋の主人の王さん(藤)の料理は、市内でも評判でした。 そこへ地元デパートの社員で、王さんに出店してもらえるよう交渉を任された貴子(中谷)が訪れます。 しかし王さんは 「料理は客の顔を見ながら作りたい」 と取り合いません。 客として辛抱強く店に通ううちに王さんの料理に魅せられていく貴子。 そんなある日、王さんは脳梗塞で倒れ料理が出来ない体になってしまいます。 そこで貴子は大きな決断を下すのです。

若い頃の藤竜也は、やたらとシブがるだけで演技力は?の印象でしたが、久しぶりに見た彼は素晴らしかった。 その眼差しには大らかな人間愛が込められていて、彼のやさしい言葉にはうそがありませんでした。

あと、王さんが貴子を伴って故郷である上海・紹興へ里帰りするシーンでは、現地の人々の穏やかな日常や空気感がとても印象的だったなあ。

 

 

「恋せども、愛せども」★★★★☆

2007年公開。 もともとはWOWWOWが制作したの2時間ドラマを映画で公開した作品とのこと。 レビュー欄での高評価に釣られて観てみました。 血の繋がらない、それでもそれ以上の固い絆で結ばれた3世代女性4人の家族。 複雑な家族構成のうえに、恋愛してみたら相手が実の兄弟だったとか、、 これでもか!ってくらいこねくり回したストーリーは、まるで少女漫画のおとな版です。 かなりわざとらしいストーリーなのに、そこにはまったくわざとらしくないbluesがありました。 それは内省的な気持ちを誘う画面のトーンやスチールカメラ的な画、主演の長谷川京子の独特のセリフのタイム感に依るところが大きかったのではないかと思います。 良い映画でした。

 

 

「滝を見にいく」★★★☆☆

2014年公開。 紅葉と滝を見に行くバスツアーに参加した7人の40〜70代のおばちゃんたちが、頼りにならない新米添乗員に置き去りにされ、山中で一夜を明かすお話しです。 女優さんたちは全員オーディションで選ばれたそうで、主婦やアマチュア劇団員、ロケ地のサポートスタッフだった人など、プロの女優ではない人たちがそれぞれの人生が刻まれた顔で演じるものですから、「あー! こんなキャラのおばちゃん身近にいるし」 となること請け合いです。 いがみ合ったり寄り添い合ったりしながらピンチを切り抜けていく様子のなかに、そこそここなれた年代の女性たちのタフさと可愛らしさがとてもよく描かれていました。 ストーリーはかなりブッ飛んでいますので好みが分かれるかもです(^^;

 

 

「ヴァイブレータ」★★★★★

2003年公開。 建て前で成り立つ人間関係にリアリティを感じられず、酒と”食べ吐き”でかろうじて自分の心のバランスを取っているフリーのルポライターの寺島しのぶは、酒を買いに入ったコンビニで長距離トラックの運転手大森南朋と目が合います。 そこで彼女の 「いいかんじ」「あれ食べたい」 というモノローグ。 彼の後を追いトラックに乗り込んで新潟までの納品に同行します。

中学もきちんと卒業しないでホテトルのマネージャーなど裏稼業を数年やって足を洗い今の仕事にたどり着いた彼の人柄は、やはり彼女のモノローグが見事に評しています。「この人が優しいのは感情じゃなく本能だよ。感情が無くとも優しくする。柔らかいものには優しく触る。桃にやさしく触るのと同じこと。動物みたいなもんだ。でも桃傷んでても気にしないやつとかさ、、いい男じゃんこいつ。」 3日間を共に過ごして自分が求めていた種類の ”やさしさ” に触れることが出来た彼女は、元のコンビニでトラックを降ろしてもらう頃には、自分の人生にもう一度価値を見出していました。

動物的な感覚がつなぐ、打算のまるでないヒリヒリするような男と女の話し。 良かった!

 

 

「春との旅」★★★★★

2010年公開。かつてはニシン漁でにぎわった北海道増毛の町もすっかり廃れてしまい、妻や娘に先立たれ、自らも脳卒中の後遺症で身体が不自由になった老漁師を演じるのは仲代達也。 ともに暮らす孫娘の世話になっていましたが、給食作りで彼女が勤務していた小学校が廃校になってしまい、彼女の人生のお荷物になることを嫌って生れ故郷の宮城県に住む兄弟たちに自分の面倒を見てくれるよう頼んでまわりますが、、

羽振りのよかった頃に尊大な態度で接していた老人が、大滝秀治や柄本明、淡島千景演ずる兄弟たちに頭を下げに行ったときの、名優同士バチバチ火花が飛ぶようなやりとりは、見ているこちらも緊張感で血圧が上がりそうでした。

当初は手のかかる老人から解放されたいと思っていた孫娘の春の気持ちが、老人と旅をするうちに少しずつ変化していく様子は、齢とともにいろいろ自信がなくなってだんだん心細くなってくる私ども世代には心に沁みるものがありました。 やっぱり若い人にかわいがってもらえる年寄りを目指さネバダ!  しみじみこの映画良かったなぁ。

 

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「この世界の片隅に」 を観てきました(たぶんネタバレないと思うんだけど(^_^;)

  • 2016.12.21 Wednesday
  • 16:04

 

もう10年以上通院されているアニメの作画監督の患者さまから、「すばらしい映画の制作が進んでいますのでぜひ観て下さい」と聞かされたのがもう2年くらい前の話だったでしょうか。 それがいま公開中の「この世界の片隅に」でした。 その患者さまが携わる仕事ではないものの、原作のすばらしさやクラウドファウンディングという資金調達法、片淵須直監督をはじめとする製作スタッフの陣容などから、この作品に対して業界内では大きな期待がかけられているということを話してくれました。

 

舞台は戦時中の広島と呉の街。 絵を描くことが好きな天然キャラの主人公すず。 窮屈な時代にもかかわらず空想の世界にあそべる彼女はいつも2つの世界を行ったり来たりしているので、すなわち常に自分に逃げ道を用意してあるので、人や出来事をゆるして現実の受け容れが上手な女の子。 彼女を演じるのは女優の「のん」です。 評判どおりの好演でした。 公私を隔てるフィルターを通すことなく心をそのまま声にしてもどこにも嫌な臭みがない主人公のキャラ設定は、逆にのんをモデルに描かれたのではないかと思うほどでした。

 

そんなすずでも戦況の悪化とともに、また戦争で大切な人がひとりひとり失われていき、ついには自分自身も心身に傷を負うに及んで空想に逃げ込む余裕がなくなり、だんだん本当の自分を見失いそうになります。 しかし夫や家族と支え合い、どうにか生きて終戦を迎えます。 ラストシーンは廃墟の広島。 そこで起こる小さな出会いが物語に大きな救いをもたらします。

 

 

水彩画のようなパステルトーンと毛筆で引いたような柔らかな線で構成される映像は、どこか現実の世界を傍観するように生きるすずが視ている ”この世界” を表現しているように思います。 多用される彼女自身のモノローグもその効果を強調していました。

 

私などは愁眉なシーンをリアルに描いて戦争の悲惨さを強く打ち出した映画では、つい脳が勝手に登場人物への共感をシャットダウンしてしまい、客席で映画を観ている素の自分に戻ってしまいます。たぶん自分の心を守ろうとしてしまうのだと思います。 それでは発信者が伝えたい大切なメッセージはかえって伝わりにくいのではないでしょうか。 この映画はリピーターが多いことも特徴のようで、患者さまの中には10回以上観たという人がいるほどです。 あまりにキツい描写だと何回も観る気にはなりませんよね。 悲惨な戦争を浮世離れしたすずの目線や、やわらかいタッチで表現したこともこの映画の成功の要因になっているように思います。

 

劇場では後端の席を選んで泣く気まんまんで臨んだのに、なぜか泣けませんでした。 しかしよく考えてみると、泣いてスッキリしてしまうと途中の辛さを忘れてしまうことってありません? 観客の感情を誘導して泣かせる演出をする映画が多いなか、この映画のように大切なことを忘れさせないために、あえてカタルシスを与えないイケズなやり方もありかなと思いました。

 

 

最後に、戦時に青春時代を過ごされた当院の患者さまのお話しを載せさせて頂きます。

 

「ドラマや本における戦争は限られた時間やページ数で完結させる必要があるため、コントロール不能なものすごいスピードで戦争に突入していったように描かれることが多いものだが、日常の時間の流れはその変化に気づかないほどゆるやかにそこに向かい、気づけば恐ろしい波に巻き込まれていた」 

 

しずかに話される彼の頭の中にはどんな映像がよみがえっていたのでしょう。

 

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ボブ・ディランー音楽も文学!?

  • 2016.12.14 Wednesday
  • 17:46

 

「先約があるから」 とついにノーベル賞の授賞式を欠席したボブディラン。 

それでも 「名誉ある賞を光栄に感じている」 というコメントを出したようで、彼もずいぶんオトナになったなと感じました。

 

昨夜、NHKスペシャル「ボブ・ディラン ノーベル賞詩人 魔法の言葉」を録画で見ました。 しかしなんとまぁ陳腐なタイトルをつけたものでしょう(笑)

 

番組ではディランの詩についていろいろ分析していましたが、文学や音楽は分析したり解説したりした時点で力を失う気がします。 それはたとえその解説が表現者本人によるものであっても。

作品と出会ったときに、読者や聴衆自身が強いインパクトとともに瞬時にそのキモを理解してはじめて、その作品の霊力が伝わるのではないでしょうか。 ディランがメディアに露出しないことも 「分かるやつだけが分かってくれればいい」 という彼のメッセージのように思えるのです。

 

彼は社会のあちこちにある不条理への怒りを歌にして世に出たわけですが、共感してくれていると感じていた自分のファンのほとんどが、世の中の対立軸を正義と悪の二元論でしか考えることしか出来ないステレオ脳であったことは、彼にとって大きな誤算だったのではないでしょうか。 彼はただ正義感に燃えてプロテストソングを歌ったのではなく、たまたま人に認められそうな社会問題を題材に選んだだけで、彼がほんとうに表現したかったのはそこにある人間の ”業” なのです。

 

Nスペでは、ハーバード大の文学部の教授がインタビューで彼のことを 「”人間とは何か”  を捉える能力が傑出している。文学が担ってきた役割を音楽活動によって果たしている」 と評価していました。 まったくその通りだと思います。 番組自体はしょっぱかったのですが、このコメントには拍手したい気持ちになりました。 ディランについてだけでなく、文学の役割をひと言で言い表してくれてすっきりしました。

 

スウェーデン・アカデミーが発表した受賞理由も 「米国音楽の偉大な伝統のなかに新たな詩的表現を創造した」 こと。歌詞についてだけでなく音楽をも含めて文学的価値が評価されたということのようです。

 

 

しかし自伝を読むと、彼は自分のことを特別な人間とは思っておらず、「同じ感覚を持って生きる人たちの中で少し表現が上手いだけ」 と自己評価していたのだと思います。 盗作や引用はお手のもの、離婚の慰謝料でお金が苦しくなればツアーに出たりと、他人が勝手に作り上げた虚像を演じる気はさらさらないので、まぁ人間臭いことこの上ありません。 

 

「ふつうの自分に気づけたことなんだから、君たちにだってもういいかげん分かるだろ? あとは自分で考えろよ」 という彼の声が、冬枯れの街を渡る風に乗って聞こえてくる気がします。

 

最後に、以前「ボブ・ディラン自伝」について書いたときにも引用した彼の文章をもう一度紹介させて頂きます。 おこがましいのですが、この感覚は年齢とともに謎が解けてきた今、なんだかとてもよく分かるんです。

 

「来るべきもののかすかな予兆があったとしてもそれに気づかないこともある。 しかしそういうとき、身辺の出来事をきっかけにして世界が変わる。 未知の世界に飛び込んで直感的に理解する。 自分は解放されたのだと。 そういうことは急激に、魔法のように起こるものだと思いがちだが、本当はそうではない。 小さな音がしてその瞬間が訪れ、眼を開けたとたんに頭の回転がよくなって、何かに確信を持つというのではない。 それはもっとゆっくりとやってくる。」

 

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旧作映画な日々(その4)

  • 2016.11.21 Monday
  • 17:39

 

わたしの旧作映画な日々もしつこく続けて第4回をかぞえました。 最近ではガッキーや校閲のドラマに時間を取られてペースは落ちてきましたが、ちゃんと観てますヨ。 今回はシリーズ物です。「ビフォア・サンライズ」 「ビフォア・サンセット」 「ビフォア・ミッドナイト」の3部作。

 

「ビフォア・サンライズ」★★★★★

1995年の作品ですが古さはまったく感じません。なぜならほとんどのシーンが若い主人公2人の会話のみで成立しているので、風景や脇役には意識が行かないからです。 それほど2人の俳優の息の合った演技がすばらしいとも言えます。

パリに向かう夕刻のユーロトレインの中で偶然出会うアメリカ青年ジェシー(イーサン・ホーク)とソルボンヌ大学に通う女学生セリーヌ(ジュリー・デルピー)。 青年は母国へのフライトを翌日にひかえ、「無為に過ごしてしまった欧州旅行を印象的なものにしたいのでウィーンで列車を降りて翌朝まで一緒に街を観て歩いてほしい」 と女学生に持ちかけます。 一見粗野に見えて、絶えず哲学的な自問に遊ぶ青年に興味を持った彼女は少し迷ってOKし、物語ははじまっていくのでした。

 

じつは私自身、似たような経験がありました。 大学2年か3年の夏、高知への帰省から東京へ戻る際の新幹線。 京都から乗って来て、隣りの席に座ったのはクラリネットのケースを抱えた清楚で美しい女性。 某音大の学生さんでした。 エレキギターにロン毛の私は彼女ことが気になってしかたありません。それは向こうも同じだったようです。 きっかけが何だったか思い出せませんが、話しかけないとかえって不自然なちょっとした出来事に助けられ、東京までの3時間を楽しく過ごしたのです。

ただ、つき合っている人がいることはカミングアウトしましたので、主人公たちと同じように連絡先は聞かないまま東京駅でさよならしました。 今でも彼女の名前を憶えているのは未練がましい男のサガですね(^^; 

 

 

 

「ビフォア・サンセット」★★★★★

2004年に 「ビフォア・サンライズ」 の続編として公開されました。 ’95のあの夜を題材にした小説を書いて成功し、キャンペーンでパリを訪れたジェシーは、ある本屋で記者会見を開きます。 その店の片隅にはセリーヌの姿が、、

半年後の約束の日に逢えなかったふたりは、9年ぶりに再会したのもつかの間、ジェシーの帰国のフライトまでは85分しかありません。 あの頃23才だったふたりも32才。それぞれの人生は次のステージへ進んでいましたが、パリの街を歩きながら弾む息の合った会話は、あの夜と同じようにふたりの心を高揚させます。

ラストシーン、セリーヌを部屋まで送ったジェシーは、ギターで歌を作っているという彼女に1曲だけ聴かせてとおねだり。 この歌がものすごく沁みました。 映画はここでフェードアウト。 その後のふたりがどうなったのか、想像させるだけさせといて、またもやイケズな終わり方(≧▽≦)

 

 

 

「ビフォア・ミッドナイト」★★★☆☆

出会いから9年後に撮られた前作。そのまた9年後の2013年に公開されたのが本作です。 前2作と同じ監督、同じ主演俳優ふたりで撮られたこの映画は、脚本もその3人によって書かれたそうです。

前作のラストシーンのあと、ふたりはその後の人生を、理性と情熱のどちらに委ねたのでしょう。 冒頭で一目瞭然ですがそれは観てのおたのしみ。

前二作までの主人公ふたりの間には、お互いの価値観をきちんと相手に伝え、日常に議論は絶えなくても懸案事項はうやむやにはしない、というコンセンサスが成立しているように見えました。 感情に任せた発言はなるべく控えて論理的に問題を解決していたのです。

ところが本作では、お互いの感情が大爆発します。 観客はロマンティックないい話だった前二作から、いきなり身に覚えのある現実世界に引き戻されることでしょう(笑) もちろんご多聞にもれず私にも覚えがありますので、生々しすぎるぶん減点で星三つとさせていただきます(≧▽≦)

 

 

ここまで観てしまったので、6年後にきっと公開されるであろう続編も観ないわけにはいかないだろうなあ(笑)

 

 

第二作「ビフォア・サンセット」のラストシーンのセリーヌの歌。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾根みちサイクリングのあとW.C.カラスのライブへ

  • 2016.11.15 Tuesday
  • 20:34

 

秋もどんどん深まってきましたね。 木枯らし1号が吹いた日など、骨皮ベリィスジスジな私はどこかにひらひら飛んでいってしまいそうでした。

さて、1年ほど前にKOTEZのライブを聴きたくて初めて訪れた小手指のライブハウス ”たらまガレージ”。 誘われるに任せて打ち上げまで参加させて頂き、その席で隣り合わせたのがサイクリストのT巻さんでした。 日曜日にはその彼と奥武蔵グリーンライン経由でたらまガレージを再訪し、W.C.カラスを聴いて来ました。

 

 

尾根道へは関の入線からアプローチ。 たまたまふたりともMTBのシューズでしたので、以前から気になっていた ”五常の滝” を見てきました。 ”五常” とは儒教で説く五つの徳目、仁・義・礼・智・信のことだそうです。 それがこの滝とどう結びつくのかはよく分かりませんが、心が鎮まる趣のある滝でした。

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ご一緒いただいたT巻さん。 自転車でははじめてのお手合わせでしたが、幸い脚が合ったのでのんびりおしゃべりしながら楽しく走れました。

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グリーンラインでいちばん好きな場所。

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刈場坂峠が通行止めでしたので、はじめて高山不動尊の林道を下ってみました。この林道、下りでも気を使うくらいの斜度でした。ぜったい上りたくないです。 おまけにマムシトラップ付き。この銭形模様は何度見ても背筋が強ばります。 ヘロヘロになった上りでこんなの踏んだらと思うとゾッとしますねえ(◎_◎;)

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小手指のスーパー銭湯でさっぱりして、いざたらまへ。 この日のカラスはいつもに増して絶好調でシャウトも3割増し。 あの絶好調ぶりは、聴衆の中に若くて魅力的な女性客が何人も居たことと無関係とは思えません(≧▽≦)

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打ち上げはいつも通りおとうが大活躍。 若い人をもドッと沸かせる軽妙な受け答えをはさみながら、82才とは思えない艶のある声とタイトに決まる三線のリズムでみんなをハッピーにしてくれました。

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打ち上げの際、カラスは 「率直な意見を聴きたい。ときには批判も聴いてみたい」 と言っていました。

 

たしかにふつう日本人は面と向かった相手を批判することが苦手ですもんね。 ただ、カラス自身はわりと率直に物を言う人という印象。そういう人は自分も他者からの率直な評価を聴きたいと願う傾向です。 配慮よりも誠意が優先されるタイプなのだと思います。 じつは私もそんなタイプなので、今まで何度言葉の選び方で痛い目にあったか分かりません。

 

面と向かうシチュエーションに限らず、自分の心の声が口から出るとき配慮のフィルターがオートマティックに機能するのが日本人の仕様なのに、中にはマニュアルでしか操作出来ない人も居るんです。そしてその操作が苦手という、、(>_<)

 

しかし、表現者たるものそれで良いのだと思います。 自分を語るにせよ自分以外を語るにせよ、聴く人に配慮した表現などに魅力は感じません。 これからも自分の内面をさらけ出して、もっと言えば心の局部を隠さずにステージに立って、「本当の自分を知ることを恐れるな!」 と叫び続けてほしいです。

 

この夜、スキップ・ジェイムスのスタイルで2曲演ってくれたのですが、これは良かったなあ。 カラスのマイナーブルースは絶品です。 局部まる出しでした(≧▽≦) 

 

 

 

たらまの飼い猫”カル”。 所在なさげにステージをお散歩中。 また聴きに来るよ。

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旧作映画な日々(その3)

  • 2016.10.31 Monday
  • 17:01

 

amazonプライムビデオ、まだまだ観てますよぉ(^_-)

 

「アラモベイ」★★★☆☆

実話をもとに1987年に公開された映画です。’75年にサイゴンが陥落して多くのベトナム難民がアメリカへ渡りました。 テキサスの漁師町アラモベイでは不漁が続いた上に、ベトナム難民たちの漁業への参入で生活を脅かされることになった白人たちが、彼らを排除するために非人道的な手段に出ます。 白人側のリーダー役のエド・ハリスが若くて髪の毛も健在。 男臭さムンムンでした。

当時インドシナで難民となった人は144万人。 そのうちアメリカは約80万人、日本は約1万人を受け入れました。 大国のエゴに振り回されて国を失い、生活を失い、中には家族を失った人々が、今も世界中のあちこちで厳しい日々を送っています。 この映画のような出来事もきっと日常茶飯事でしょう。 とても遠い世界のはなしとは思えません。もっと真剣に知り、考えなければいけない問題だと思います。

 

 

「シャトーブリアンからの手紙」★★★★☆

「ブリキの太鼓」 のフォルカー・シュレンドルフ監督の作品です。 ナチス占領下のフランス、シャトーブリアン郡の収容所には政治犯が多数収容されていました。 この地域を管轄していたドイツ軍の将軍は反ナチで、側近には思想家として有名なエルンスト・ユンガーが居り、フランス人との良好な関係を模索していました。

そこへある日ナントで起こったパルチザンによるドイツ将校暗殺事件の報復として、総統府から150名の政治犯の報復処刑命令が届きます。 混とんとした状況の中で起こる出来事を、映画は淡々と描いていきますが、当時のドイツ軍内部のナチ信奉者と知識層の意見の相違や、ドイツ軍に協力せざるを得なかったフランス人官憲や公務員の葛藤がしっかりと伝わってきます。 ギリギリのところで絶望に沈まないように精神を支えてくれるものは何か。 戦争や死生観について考えさせられる映画でした。

 

 

「WOOD JOB〜神去なあなあ日常〜」★★★★★

おもしろかったです!  これ、たぶんまた観ると思います。 高校受験に失敗した若者が、ふとしたきっかけで林業に身を投じるコメディ。 私の母の里も林業の村でしたし、最近何人か林業に関わっている知り合いが出来たこともあり、とても身近な題材でした。

レビューを見ると林業のプロが何人も観ていて、みなさん内容には納得されているようです。 農業・漁業もそうですが、就業人口がどんどん減って先行きが心配される中、こういう映画が起爆剤になってくれるといいなあ。 

 

 

「映画 立川談志 ディレクターズカット」★★☆☆☆

立川談志という人はどうも好きになれません。 私が若い頃は、奔放な発言がウケてよくテレビに出ていましたが、人間同士の関わり合い方に対する執着が強く、私の苦手ないわゆる ”かまってちゃん” に見えました。

私も齢をとって多少練れてきたはず、人のことを嫌いのままで居るのも気持ち悪いので、この映画を観て彼のことを見直す機会にしようと思ったのです。 結論から言うとムリでした。 自分の発言に説得力を持たせるために口角を下げて、話し出すときに「んぁ〜」「んん〜」とか、もったいをつける感じはまるで政治家のようです。いや、この人いっとき政治家もやってましたっけ(笑)

 彼の十八番 「芝浜」 はたしかに巧いと思いますが、顔や発声、姿勢には人格が出ます。やっぱり好きにはなれませんでした(>_<)

 

 

「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」★★★☆☆

18〜19世紀にかけて活躍した伝説のヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニの伝記映画です。 パガニーニを演じるのはデイビッド・ギャレット。 私はよく知らなかったのですが、彼自身クラシックをベースにポピュラーの分野で活躍するプロのヴァイオリニストのようです。 路線としては葉加瀬太郎さん? 彼をもう少し細くして、もう少し顔の彫りを深くして、あといろいろいじったかんじでしょうか(^^;

さて、パガニーニは当時の作曲家たちにも高く評価されており、シューベルトなどは家財道具を質に入れてコンサートのチケットを手に入れ、演奏を聴いたときには涙を流したそうです。 ほかにもショパン、シューマン、リスト、ベルリオーズなどお歴々の絶賛コメントが残っています。

さてこの映画、ストーリーはシンプルなのですが演奏シーンはすごいです。 5億円のストラディバリウスをヘビメタ・ギタリストの1音半チョーキングよろしく、弓の毛を切りまくり、激しくたなびかせながらの官能的なトーンは圧巻でした。

 

 

「ジュリー&ジュリア」★★★★☆

1949年に外交官外交官である夫の赴任先のパリでフランス料理に目覚め、8年かけて524のレシピをまとめた本を執筆し、「アメリカの料理の母」と呼ばれたジュリア・チャイルド。 かたや2000年代のニューヨークで日々に達成感が得られず悶々と過ごしていたジュリー・パウエルは、「ジュリアの本のレシピを1年間で全部作る!」 とブログで宣言して、毎日のフルタイムワークのあと自宅キッチンで奮闘します。ブログは評判を呼び、ついに彼女も本を出版することに。 

カメラは1950年代のジュリアと、今を生きるジュリーに変わるがわるフォーカスを当てていくのですが、私がいちばん印象に残ったのは、2人の女性の夫が愛する妻をゆるす心でした。 こんなに心の広い男が世の中に居るのかしら?いや、きっと居るんだよなァ。と自身の狭量さを振り返ってちょっとしょぼんとしてしまいました。

あ、あと映画の冒頭、パリの街でジュリア夫婦が乗っていたビュイックの’50年型ロードマスター・ステーションワゴン。 この時代、日本は復興でたいへんだったわけですが、それはそれこれはこれ。 カッコ良いものはかっこいい!

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(画像はwikiから拝借)

 

 

 

 

 

 

 

 

旧作映画な日々(その2)

  • 2016.10.07 Friday
  • 17:10

 

前々回にも書きました私のamazonプライムビデオ映画鑑賞ブームですが、いまだ絶賛継続中です。

2週間のあいだに7本。  ん?”週間のあいだ”?はヘンかな。 ま、いいか(笑) さておき今回から私基準の5段階評価もつけていこうと思います。

 

「プレシャス」★★★★★ ←5段階評価の満点ってことです(^^;)

ニューヨークのスラム、荒んだ家庭環境で育った黒人の女子高生が、ある教師との出会いによって自分の人生にも”価値”があるのだということに気づきます。 その教師や友人のサポートを得て彼女なりの努力をするものの、不幸な運命は底なし沼のように彼女の足を掴んで離しません。 しかし、幸せが相対的なものではないと気づいた彼女は、どんな運命でも受け容れられる強い心を手に入れていました。 人生の価値について考えさせられる映画。  主人公プレシャスの母親役のモニークはもともとコメディアンらしいのですが、屈折した人格由来の狂気を含んだ目はとても演技とは思えず、見ているこちらも緊張してしまいました。

ソーシャルワーカー役でマライア・キャリー。看護師役でレニー・クラヴィッツが出演しています。 マライアの演技は上手かった!

 

「最強のふたり」★★★☆☆

レビュー欄での評価が高かったので観てみました。 頚髄損傷で身体が不自由になった富豪と、ひょんな出会いからその介護人になった貧困層の黒人青年との心の交流を描いた映画です。 貧富や人種の差で人を値踏みしない人同士なので、純粋にお互いの生活水準のギャップをおもしろがって過ごすうちに友情が深まっていくお話し。 この映画は実話がもとになっており、エンディングではモデルになったふたりの映像も紹介されます。 いわゆる”いい話”が好きな人にはたまらないかも。

 

「愛する人」★★★★☆

おそらくタイトルを聞いただけでは観る気にはならなかったのですが、これも評価が高かったので観てみました。 原題は「Mothr and Child」。映画の内容から考えると原題のままのほうがしっくりきます。 4世代にわたる母と娘の関係性の物語。 女性のための映画だと思います。ストーリーは綿密に構成されていて最後の最後まで意表を突かれっ放し。 母を演じる女優たちの演技がすばらしくて男どもがあれこれ言える映画ではありません。 とりわけ心の動きを表情だけで演じてしまうアネット・ベニングは出色でした。

 

「刺さった男」★☆☆☆☆

スペインの映画は初めて観ました。 織探しがうまく行かない中年男が遺跡発掘現場の大きな穴に転落。足場の鉄筋が後頭部に刺さったまま動けなくなり、それでも生きている自分をテレビ局に独占取材させてその報酬を家族のために残したいと希望します。 しかし家族はもちろんそんなことより彼の回復を最優先させ、もし回復がみこめないようなら家族だけの時間を希望します。 結末は書きませんが、いろいろシュールすぎてしんどかった(*_*)

 

「ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド」★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★(≧▽≦)

言わずと知れたレゲエのレジェンド、ボブ・マーリーの伝記映画です。 この映画の存在は知っていましたが今まで観るのを先延ばしにしたのは不覚でした。 すごい、なにしろすごい男です。 時代が彼を求め、そこに降臨したのが彼なのでしょう。 レゲエに興味がない人にもぜひ観てほしいです。私の中では音楽映画の最高傑作は「ウッドストック」なのですが、この映画はおそらくその次にランクされることになります。

ラスタファリ運動自体についてはつっこみどころも多いのですが、ボブ・マーリーのような人間が身近に現われたとしたら、その人間臭いカリスマ性に抗える人はそう居ないはず。 自分の属するコミュニティに利益を約束して影響力を手にする政治家と違って、彼は人間のもっと根源的な部分に訴えかけるメッセージを音楽に乗せて伝え、世界中の人に影響を与えました。 私もひさしぶりに彼のアルバムを引っぱり出して何度も聴いています。

 

「ワイルドマン・ブルース」★★★★☆

ウディ・アレンが多才なのは知っていましたが、クラリネットを演奏することは知りませんでした。 彼がニューオーリンズ・ジャズのバンドを率いてヨーロッパの都市をツアーするドキュメンタリー映画です。 

フィクションの映画の中に出演しているときの彼はいつも、ペシミスティックな言葉を連発するものの、そこにおかしみがあって憎めないキャラ。 この映画で紹介されるふだんの彼もあのまんまでした。演じていたわけではないんですね(笑) 妻や妹に愛されて「はいはい、よしよし」って包んでもらえているのでどうにか自己肯定感を損なわないでいられるのがよく伝わってきました。

 

 

ウォッチリストにはまだまだたくさん面白そうな映画を眠らせてありますので、また紹介させてくださいね♪

 

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amazonプライムビデオのおかげで寝不足です。 旧作映画な日々(その1)

  • 2016.09.13 Tuesday
  • 17:13

 

みなさまご存知の通販サイト 「amazon」 が運営するストリーミングサービス、amazonプライムビデオ。

映画やテレビドラマなど約8,000タイトルが無料で視聴できるというものです。

 

専用デバイス発売の際に会員割引で購入したものの、接続がめんどくさくて1年ちかく箱に入ったままだったのですが、掃除のたびに目についてしょうがないので先週やっと開封しました。

 

封切り時に見逃してた作品や、国内未公開の作品などを100本以上ウォッチリストに載せて、だいたい毎日1本観ています。 今のところ7本の作品を観終りました。

 

「キャストアウェイ」 「潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ」 「ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男」 「一枚のめぐり逢い」 「ザ・ウェイヴ」 「ダウン・バイ・ロー」 「リスボンに誘われて」

 

「潮風と・・・」 は日本未公開だったようですが、レビューで高評価だったので観てみました。 ロバート・デュバルとロチャード・ハリス、二人の孤独な老人の出会いと友情を綴ったヒューマンドラマ。 シャーリー・マクレーンも出てます。 ほっこりしました♡

 

「一枚の・・・」 は、ありがちなストーリーの恋愛ドラマなのですが、なにしろロケ地であるルイジアナの田園風景が美しくて最後まで観てしまいました。

 

「ザ・ウェイヴ」 は、アメリカの高校で起こった実話をもとにした映画です。ナチス独裁についての授業で、なぜ民衆がヒトラーについていったのか理解できない生徒たちに、教師がおもしろ半分で行った実験授業に生徒たちがハマッてどんどんエスカレート。 しまいにはコントロール不能となりとんでもない結末に、、

 

「ダウン・バイ・ロー」 は、ジム・ジャームッシュの作品です。 彼の出世作となった 「ストレンジャー・ザン・パラダイス」 と同じくモノクロで撮られたロードムービー。 上記の 「一枚の・・・」 と同じルイジアナの美しい湖沼の風景が、色が無くなるだけでかくもおどろおどろしくなるから不思議。

主演は3人。トム・ウェイツとジョン・ルーリーのミュージシャン二人に、イタリアのコメディアン、ロベルト・ベリーニという取り合わせ。 ほとんどのシーンは俳優が本職でない彼らだけで演じられていますが、「間」が絶妙でクールな作品でした。

 

 

 

今回観た中では 「リスボンに誘われて」 がいちばんおもしろかった! しょっぱい邦題のせいもあって期待せずに観始めたのですが、のっけからぐいぐい引き込まれて行きました。 日本では2014年にミニシアターを中心に公開されたらしいのですが、当時はこの映画のことぜんぜん知りませんでした。

 

スイスの高校教師が飛び降り自殺寸前の若い女性を助けたことから縁が生まれ、サラザール独裁政権下のポルトガルでレジスタンスとして青春時代を過ごした人々を尋ねて歩き、彼らの断片的な記憶をつないで行くうちに、自身の新たな生きがいを見つけていくという話です。 ヨーロッパ映画らしく矛盾や葛藤に向き合う登場人物たちの心理がよく描かれており、かつその解釈は鑑賞者次第。 原作を書いたパスカル・メルシエは作家であるとともにベルリンの大学で教鞭をとる哲学者とのこと。なるほどそれも納得です。 脇役のクリストファー・リーやシャーロット・ランプリングもいい味出してましたっけ。

 

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秋の夜長に向けてしばらく寝不足の日々が続きそうです(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君の名は」観てきました。(ネタバレなし)

  • 2016.09.06 Tuesday
  • 11:33

 

夏も終わりにちかづくと、お天気が目まぐるしく変わりますね。

 

日曜日の早朝、寝床で耳を澄ますとかすかに雨垂れの音が聴こえましたので、サイクリングはあきらめて映画観賞な日にしようと寝直しを決め込みました。

 

映画は 「君の名は」。 新海誠監督の新作です。

これまで彼の作品はDVDで 「言の葉の庭」 を観ただけでした。 しかしその印象はとても鮮烈で、これまでアニメの二次元の質感では表現が難しかった奥行きや匂い、しっとりとした湿度までが感じられるような空気感。 また、文学で言う行間そのものの絶妙な”間”の使い方などによって、不思議な没入感を味わいました。 なので新作は必ず劇場で観ようと心に決めていたのです。

 

「君の名は」観てよかったです! SFベースのストーリーは好みが分かれるところだと思いますが、彼の作品の特徴である写実的かつ抒情的な映像はやはり息を呑むほど美しかったです。 みずみずしい風景の色や光、自分も高校生くらいの頃にはたしかにこんな風に見えてたっけなぁ、と遠い目になりました。

 

漫画やアニメは視覚によってイメージが限定されてしまうので、メッセージが理解しやすい分、文学のように読み手の感受性によって物理的・心理的に像をふくらませることは難しいのではないかと考えていましたが、最近では作家や画家・写真家の資質を持った人がアニメのクリエイターを目指すことが多いようで、かえって視覚に縛られない複雑な心象風景が表現されている作品が多いように思います。 言い換えれば文学やアートと同じで、受け取る側の感受性が試されるということでしょうか。

 

あ、映画館出たらいいお天気になってたので自転車にも乗りましたヨ。 と言うことで、なにしろ忙しい日曜日でしたとさ(笑)

 

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