カンボジアが舞台の映画「音楽とともに生きて」。良かった!

  • 2020.07.15 Wednesday
  • 17:39

 

カンボジアが舞台となった映画が封切りされると知り、土曜日の午前診療を終えるや否や、もっとも近い上映館である"イオンシネマむさし村山"へカブ号を飛ばしました。

インターネットで座席の予約をしたときには私が一番乗りでした。予告編が始まった頃に劇場に着いて見まわしてみても、埋まっている座席は私を含めて6席だけ。感染リスクは低いものの、ちょっと寂しい鑑賞になりました。

 

上映されたのは「音楽とともに生きて」という映画。内戦時代に難民キャンプで生まれ、その後アメリカに渡った女性監督ケイリー・ソーと、プノンペンで活躍するヒップホップ・ユニット”Klap Ya Handz”のリーダーであるヴィサル・ソックの共同監督による作品です。

 

映画は、プノンペンのホテルの屋上で、朝焼けを眺めながらアメリカの自宅の母と電話で話す、ホープという名の若い女性の横顔から始まります。彼女の母はポル・ポトの時代を生き抜いてアメリカに渡り、彼女を産み育てた人。ホープは、母が生まれ育った地で、母と亡き父の出会いのきっかけとなった歌を歌うためにカンボジアを訪れたのです。

 

ホープが目にして驚くものは、私が2度のカンボジア旅行で驚いたものと重なりました。彼女が心動かされたものもまた同じ。道路にあふれる車やバイクの喧騒。日本語と同じように、自己をアピールするよりも相手の心を思いやる、おだやかな響きのクメール語の会話。人々の目に浮かぶ表情はやさしく純粋です。

 

全体の構成は、今のカンボジアと両親が青春時代を過ごしたカンボジアが交互に描かれ進行します。フランスの支配から独立したあとの、のどかな農業国だった1960年代後半のカンボジアで青春時代を過ごす若いカップル。彼らを引き合わせたのは、当時クメール・ロックの第一人者だったシン・シサモットの代表曲のひとつである「Champa Battambang」(バッタンバンの花)という歌でした。その後ふたりは、クメール・ルージュが支配する厳しい時代の波に飲み込まれてしまいます。強制労働のさなか男性は処刑されてしまい、いつものふたりの密会場所に現れません。彼女はおなかに女の子を宿したまま不安げな表情を浮かべたところで、過去のシーンは終わります。

その先彼女がどうなったのかは描かれていませんが、現在のシーンで娘のホープと電話で話せるということは、健在なのは間違いありません。

 

映画はシーンの切り替えがゆったりとしていて、人物の表情や風景の余韻が薄いベールの重なりのように心に残って行きます。

正直なところ、カンボジアが舞台の映画だから観に行っただけで、作品にはそれほど期待していませんでした。ところが、想像の何倍も素晴らしい映画でした。DVDかBDが出たら買ってまた観ます。

 

共同監督を務めたヴィサル・ソックのユニット Klap Ya Handzでは、現在クメール・ルージュの兵士の2世と、彼らから迫害を受けた市民の2世が混在しており、仲良くやっているそうです。恨みを水に流す国民性も日本人と共通しているのかも(^^)

 

 

 

 

 

 

 

「Champa Battambang」の歌い出しは、橋幸夫と吉永小百合が歌った「いつでも夢を」によく似ています。シン・シサモットはビートルズやサンタナなどのほかにも、三橋美智也、橋幸夫、森進一などの曲もカバーしていたようなので、作風に影響が出ても不思議はないのかも知れません。

こちらの動画は、カンボジアの女性アーティストが映画のロケ地めぐりをしながら歌うジャズバージョン。

 

 

 

 

コメント
原題 In the Life of Music が忠実に「音楽とともに生きて」と訳されているので、この映画で音楽がどのように扱われているか?が(私の)興味の中心となりました。私の頭に閃めいたのは、ディアナ・ダービン演ずるところの「オーケストラの少女(1937年米画)」でした。院長どのが懐かしむカンボジアの地で、米国生まれの若きホープ嬢が歌う「バッタンバンの花」が主軸で、実はそれが実母と今は亡き父との出会いを促したという因縁の物語だったのですね。女性ギタリストを囲むポスターの夕景色が印象的ですね。一寸の間だけですがコロナ禍を忘れ、楽しい想いに耽って居りました。



  • 山野隆康
  • 2020/07/16 8:32 PM
山野さま
「オーケストラの少女」ウィキで検索してみました。ストーリーを読んだだけで心惹かれました。Youtubeに映画の全編がアップされていましたので、さっそく観ようとしたらロシア語?の吹き替えでした。ザンネン(T_T)
  • 松本
  • 2020/07/17 9:46 AM
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM