「FACTFULNESS」

  • 2020.07.02 Thursday
  • 12:06

 

練馬区立図書館から「資料がご用意できました」とのメールが届きました。最近は何も予約した覚えがないので「???」な感じで開いてみると、その資料とは世界的なベストセラーで、昨年1月に日本版が出版されたハンス・ロスリングの「FACTFULNESS」でした。図書館ではこの本を10冊も蔵書しているのですが予約が相当数にのぼっており、通知が来るまでに1年以上が経過。とっくに予約したことを忘れていました。

 

結論から言うと、かなりおもしろい本でした。

 

冒頭には13問のクイズが用意されており、どれも現在の世界の状況についてのものです。このクイズはネットで公開されており、各国のテレビ放送でも取り上げられたようですから、内容をそのまま引用させてもらいます。

 

質問1.現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?

A.20% B.40% C.60%

質問2.世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

A.低所得国 B.中所得国 C.高所得国

質問3.世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

A.約2倍になった B.あまり変わっていない C.半分になった

質問4.世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A.50歳 B.60歳 C.70歳

質問5.15歳未満の子供は、現在世界に約20億人います。国連の予測によると、2100年に子供の数は約何人になるでしょう?

A.40億人 B.30億人 C.20億人

質問6.国連の予測によると、2100年にはいまより人口が40億人増えるとされています。人口が増える最も大きな理由は何でしょう?

A.子供(15歳未満)が増えるから B.大人(15歳から74歳)が増えるから C.後期高齢者(75歳以上)が増えるから

質問7.自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?

A.2倍になった B.あまり変わっていない C.半分以下になった

質問8.現在世界には約70億人の人がいます。世界の各大陸ごとの人口分布を正しく表しているのはどれでしょう?

A.アジア40億人・アフリカ10億人・ヨーロッパ10億人・アメリカ10億人

B.アジア30億人・アフリカ20億人・ヨーロッパ10億人・アメリカ10億人

C.アジア30億人・アフリカ10億人・ヨーロッパ10億人・アメリカ20億人

質問9.世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?

A.20% B.50% C.80%

質問10.世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。同じ年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?

A.9年 B.6年 C.3年

質問11.1996年には、トラとジャイアントパンダとクロサイは絶滅危惧種として指定されていました。この3つのうち、当時よりも絶滅の危機に瀕している動物はいくつでしょう?

A.2つ B.ひとつ C.ゼロ

質問12.いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?

A.20% B.50% C.80%

質問13.グローバルな気候の専門家は、これからの100年で、地球の平均気温はどうなると考えているでしょう?

A.暖かくなる B.変わらない C.寒くなる

 

回答

質問1.C 質問2.B 質問3.C 質問4.C 質問5.C 質問6.B 質問7.C 質問8.A 質問9.C 質問10.A 質問11.C 質問12.C 質問.13A

 

2017年に14ヵ国、12,000人に行ったオンライン調査では、最後の地球温暖化の質問を除けば平均正解数はたった2問。全問正解者は1人もいなかったそうです。医師、大学教授、著名な科学者、投資銀行のエリート、多国籍企業の役員、活動家、政界のトップ、本職のジャーナリストの大多数までもがほとんどの質問に間違ったそうです。かえって、いわゆる ”意識の高い人” ほど思い込みの罠にハマりやすいのだとか。

 

私もこのクイズに惨敗して、事実を正しいかたちで認識するのは、じつはそんなに簡単ではないことを思い知らされました。

なぜそんなことが起こるのでしょう。どうやら私たちは本能的な、あるいは刷り込まれた思考のパターンや、その思考パターンを巧みに利用するメディアの偏った報道が原因で、事実をよりドラマチックに理解しようとしてしまうらしいのです。この本では、そのほかにも事実を誤認する原因として考えられるいくつかの理由と、その対策を紹介しています。

 

「FACTFULNESS」とは、「データを基に世界を正しく見る習慣」のこと。

著者のハンス・ロスリングはスウェーデン出身の医師で公衆衛生学者。医師として、アフリカでのコンゾやエボラ出血熱のアウトブレイクに力を注いだほか、インドその他でも活躍し、WHOやユニセフその他の機関のアドバイザーを務めました。

2012年には、”世界で最も影響力のある100人”に選ばれたりもしています。

その彼が、協力者でもある息子夫婦とこの本を書こうと決めたのは2015年9月。その翌年2月に彼は末期の膵臓がんを宣告されます。余命は2〜3ヶ月。彼は宣告を受けたその週のうちに、世界中で予定されていた67の講演をすべて断り、この本の執筆に集中しました。そこまでしてでも彼が世界中の人に伝えなければならないと感じていたことが、ここに書かれているのです。

読んでみて、この本の評価が高い理由が分かりました。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
「以前から刷り込まれていた思考のパターンにより、事実をよりドラマチックに理解してしまう・・」性癖は、誰にも有ると思います。私自身を振り返っても「三つ子の魂百まで」に該当する部分が浮かんできます。少し飛躍しますが、電話で世論調査の質問が掛かってきたとき、短時間に数字での回答を迫られると、過去の世論調査で人気が有ったと報ぜられた人物の名などを気軽にインプットしてしまう癖も出るのではないでしょうか?著書ファクトフルネスに学ぶべき事は多いのでしょうね。
  • 山野隆康
  • 2020/07/02 3:47 PM
山野さま
本では刷り込みよりも、本能的な思考パターンによる誤認を強調してありました。

私も常々世界の状況を伝えるニュースは意識して見るようにしていますが、見事に罠にハマりました。正直なところ、かなりショックでした、、
  • 松本
  • 2020/07/02 6:01 PM
私も、読んでみたくなりました。図書館で利用登録するところから、やります!

本や映画、新しい世界を教えていただいて感謝です(^^)
全てではありませんが、興味を覚える分野から参考にさせてもらっています!!
  • 青トゥーラン
  • 2020/07/04 7:49 PM
青トゥーランさま
内容には、ハンス・ロスリングの自伝的な部分も多いのですが、人物としても魅力的な人であったことがうかがわれます。
ぜし!(^^)
  • 松本
  • 2020/07/05 3:48 PM
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