アマンダ号の復活

  • 2020.06.18 Thursday
  • 16:45

 

今から13年ほど前のこと、自転車に乗り始めて1年が経過し、そろそろ入門用の自転車からステップアップしたいなと思い始めたときに出会ったのが、自転車チーム「Beach」のメンバーたちが乗っていた”アマンダ”のバイクでした。

雑誌で見かけて一目惚れし、商店街仲間のラーメン店主”かず吉”と一緒にBeachに入会しました。そしてすぐさま念願のアマンダをオーダーしたのです。

 

”アマンダ”とは、自転車ビルダーの千葉洋三さんが制作するフルオーダーの自転車フレームのことです。

千葉さんは、50年近く前に世界でいち早く自転車フレームの構成材にカーボンを取り入れた人。そしてそのカーボンパイプとクロモリ鋼パイプとの組み合わせで、剛性を維持しつつも疲労しにくい乗り心地を実現。効率と感性を両立させた独特なフィーリングの自転車を生み出し続けて来ました。

今年で80才を迎えられる千葉さんですが、今でも現役です。私が初めて田端の工房を訪れた2007年当時、彼はまだ67才。今は亡き奥さまのみちほさんとふたり、工作機械がいっぱいの工房内で忙しそうに作業されていました。

入り口のドアを開けながら、おそるおそる「こんにちは〜」と声を掛けると、「どうしましたか?」と、まるで診察室のドクターのような威厳に満ちたお返事が返って来たことをよく覚えています。

 

フレームが出来上がるまでに細部の確認のために何度か工房を訪れたり、また当院のスタッフ女史も千葉さんにフレームをお願いしたりとお目にかかる機会が増えるにつけ、身体の構造のお話をさせて頂くことも多くなりました。とても真剣に聞いて下さって光栄に感じました。

 

完成して1年ほどはアマンダに乗りましたが、そのうち私は40時間で600km走ったりするブルベという長距離イベントにハマってしまい、雨中走行にアマンダを使用する気になれなくて、ベッドルームの壁のオブジェとして10年ほど休眠させてしまうことに。

 

ところが、50代半ばから身体の疲労回復が遅くなって、長い距離を乗ったり限界近くまで心拍数を上げる走り方が楽しくなくなってしいました。フロントバッグにカメラを積んで奥武蔵の山の中をのんびりと散策するくらいのサイクリングがちょうど良い感じ。そんなときに壁のアマンダが目に入ったのです。

 

アマンダ号を復活させるまでの時間は、とても楽しいものでした。

 

アマンダ号には1年も乗らなかったので、なるしまフレンドの小畑さんが組み上げ時に巻いてくれたバーテープがそのまま。ほどきながら、細部にわたる彼の仕事の丁寧さを実感しました。

 

 

 

ブラケットも適切なトルクで締めてくれてありましたが、やはり乗車中にストレスがかかるのでしょう、カーボンの表層部分が傷んでいました。峠の下りでポキンなんてのは御免なので、アルミハンドルに変更。

 

 

 

以前はヒルクライム用に軽さ重視の仕様でした。ブレーキは軽量なゼロ・グラヴィティ。下りではいつも制動力に不安を感じていましたので、コーラスに変更。

 

 

 

フレーム制作時に千葉さんに「軽く、軽く」とわがままを言ったものだから、シートステーも内径25.4mm。なかなか合うシートポストが見つかりませんでした。結局トムソンの25.0mmのパイプ部分の上下にカーボンを巻いてもらって解決。さすが千葉さん、完ペキな精度です。

 

 

 

10年ぶりにホイールも組みました。なんだか新鮮な気分で楽しかったです。

 

 

 

 

出来上がりました。

アマンダに乗るチームメイトはたくさん居ますが、私以外のメンバーは健脚すぎて、剛性優先の千葉さんの半ば強引な説得で重量級のフレームを背負わされて帰るのがふつうでした。しかし私は、あの手この手で千葉さんを説得して、完成車で6.9kgの軽量バイクに仕上げて頂きました。水平換算でトップ550mm。ダウンチューブは80t、トップとシートチューブは40tのカーボン。フォークと後三角はクロモリです。おそらく全てのアマンダ・ハイブリッドフレームの中でも最軽量の部類ではないでしょうか。

今回、パーツのアッセンブルを信頼性重視に変更しましたので、重量は8.0kgちょうどに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カメラや飲み残しのボトルの収納など、ゆるライドでは一度使い始めるとやめられないハンドルバー・バッグ。今回アマンダ号復活に合わせて新調しました。BLUE LUGで購入した、シアトルの手作り工房”SWIFT INDUSTRIES”の防水地のバッグです。

 

 

老後の友にぴったりなバイクに仕上がりました。今週末には他県への移動制限も解除されるとのこと、久しぶりに山方面へでも出掛けたいなぁ(^^)

 

 

 

 

 

 

コメント
13年余に亘るバイク生活の中で、院長どのにとっては特異な存在であった「アマンダ号」との関わりを、とても楽しく読ませて戴きました。其れにしても10年間の長きに亘り、寝室の壁に貼り付けて飾って居られたという下りには驚かされました!日用品である自転車でも、その機能から全く離れた視点から、象徴的・幻想的な意味が感じられれば、オブジエという芸術作品になるのですね。ではまた。
  • 山野隆康
  • 2020/06/19 9:19 PM
山野さま
とはいえ、楽器と同じで自転車も使ってなんぼ。常々乗ってあげられない罪悪感とともに寝起きしていました。
山野さんも最近、かなり気合いの入ったヴァイオリンを手に入れられたとのこと。新しいパートナーとの会話は時間を忘れてしまいますよね〜(*^-^*)
  • 松本
  • 2020/06/20 9:37 AM
ステキなエピソードとフレームですね。

細身のフレーム、スッキリしていて白という色もあって、爽やかさを感じます。山中のうどん屋さんにまた行きたいですね。
オーダーフレーム、憧れですね!
  • 青トゥーラン
  • 2020/06/20 1:31 PM
青トゥーランさま
ありがとうございます。オーナーの体型に合わせた蚊トンボなフレームで気に入っています(^^)
うどん屋さん、必ずまた行きましょうね!
  • 松本
  • 2020/06/22 11:18 AM
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