日野原重明さん

  • 2017.09.28 Thursday
  • 18:28

 

昨朝の食事中にNHKの「おはよう日本」を見ていたら、この7月に亡くなった医師の日野原重明さんのインタビュー(亡くなる半年前に収録)が放送されていました。 

 

印象に残ったのは 「人は病を得ると本当の自分があらわれてくる」 「本当の自分と出会えることはすばらしいことだ」 という言葉。

 

当院の患者さまでも大病を経験された方が何人もいらっしゃいます。 なかには日野原さんと同じような思いに至ったことを話して下さった方もありました。

 

ランス・アームストロングという自転車選手は25才のときにガンを発症。その後闘病生活を乗り越えて、有名な自転車レースのツール・ド・フランスを7連覇しました(後にドーピング問題で剥奪されてしまうのですが、、)。 そのランスはインタビューで、「もし次に生まれかわったとき、ツールを7連覇する自転車選手としての人生と、一人のガン患者としての人生。どちらかを選べるとしたらどちらを?」 と訊かれ、「迷わず一人のガン患者としての人生を選ぶ」 と答えたそうです。 それは日野原さんの言葉とまったく同じ理由からだったと記憶しています。

 

日野原さんはたくさん本も書いていますが、私は一冊も読んだことがありません。 しかしインタビューでの彼の言葉を聞けば、どういう人であったのかは何となく理解できる気がします。きっと共感できる部分がたくさんあるのではないかと。

 

終末期医療の普及に尽力された日野原さんでも自らにその時が近いと感じる日々に 「ただ恐怖でおののいている」 と告白していました。 だからと言って彼はけして死にたくなかったわけではないのだと思います。

 

いつか私にも必ずそんな日が来るわけですが、死を忌むべきものして遠ざけないで、自らにデス・エデュケーションを課しつつ生きていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
日野原重明先生につきましては、私も以前から関心を抱いておりました。105歳の最後まで現職の医師を勤め、各地を訪問して講演したり、合唱の指揮をしたり、毎週のようにA紙に長文のエッセーを載せるなど、その超人的な活躍ぶりに、只只敬服しておりました。「本当の自分が現れてくる」と最晩年に漏らされたその病気が、青春時代に患った肺結核の事だったのか?否かは判りませんが、私にはいまもって到達し得ぬ心境です(結構入退院を繰り返した私ですが)。親の代からクリスチャンだった日野原先生と、凡庸きわまる私とでは、住む世界の差が有り過ぎるのでしょうね。一方、安楽死への希求を公表した、橋田寿賀子どの(私より2歳年上)の心境にも、未だ到達できません。私は凡庸に、醜く憐れな死に様しか選べないのでしょうね(笑)。
  • 山野隆康
  • 2017/09/29 5:43 AM
山野さま
山野さんは、まだまだ次の世代に負担をかけずに生きていける体力・知力がみなぎっていらっしゃるので、いやでも100才突破は確実です(≧▽≦)
死生観は人それぞれですね。 たった1回しかない”その時”、恐いような楽しみなような(^^)
  • 松本
  • 2017/09/29 10:20 AM
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