雨の高原で読書

  • 2017.07.29 Saturday
  • 12:34

 

ちょっと前のことですが、先週末は ”サイクルショップあしびな” 主催の那須サイクリングでした。

コテージで一泊して涼しい那須高原をのんびり走ろうという企画。 私は土曜の仕事を終えてからバーベキューに間に合うよう新幹線で現地入り。 着いてみると泊まりはムサい男ばかり12人。 明日には日帰りの参加者も3人来るようですが、どうやらこちらも♂ばかりとのこと。 参加者の半分は20〜30代の独身ナイスガイなのに、なんとももったいない (>_<)

 

電車に乗らなくても布団までズルズル引きずってもらえば寝れる環境は、やはりとても危険です。 ものすごく濃いハイボールのせいで2名ほどは完全に”泥”でした(^-^;

 

翌朝、奇特な誰かが朝食を作るいい匂いで気分良く目覚めたものの、外はイケズな雨。

ただ、この朝の森の空気はとても気持ち良くて、見渡しても退屈がストレスになっている顔はありませんでした。 チェックアウトの10時までのんびり過ごそうと満場一致。 私もテラスのデッキチェアに身体をあずけ、しばらく木々の間にこだまするウグイスの声に聴きほれていましたが、持参していた本を思い出してゆるゆるページを進めました。

 

ミシェル・ウェルベックの 「服従」。 かなりインパクトのあるタイトルですよねえ。

2022年のフランス大統領選挙では国民戦線のル・ペンと穏健イスラム政党党首が決選投票に挑みます。 「ファシズムとイスラムかよ。なかなかキッツイ選択だなぁ」 という当地のリベラル層の声が聞こえて来そうですね。 そこで政治的主導権を手に入れた勢力はその後フランスのみならずEU全体をコントロールするようになります。 しかしこの本、ただのポリティカルフィクションではありません。 主人公は大学で文学を教える40代の教授。 おもに年齢的なものによる自分自身の身体や心の変化から、生きることに疲れ始めたタイミングでの急激な政情の変化。 考える力も失われるほどすっかり疲れ切ってしまったときに忍び寄ってくるのがファシズムや宗教。 インテリであるはずの彼でさえいともかんたんに流れに飲みこまれちゃうんですねえ。 いや、かえってインテリほど長いものに巻かれやすいのかも知れません。 いずれにせよ主人公の葛藤がよく描かれていて、文学としてもよく書けていると思います。

 

ウェルベックはこの主人公に、21世紀に入ってすっかり行き詰った感のある共産主義や自由民主主義などの人間中心主義を重ねたのではないでしょうか。 筆者はヨタヨタになってしまった人間中心主義だけでなく、どんどん勢いを増すばかりのイスラム教をもおちょくりまくっています。「イデオロギーも宗教も結局人間を救ってはくれないヨ」 なスタンス。 ほかにも差別・性などのタブーも全シカト。 気持ちいいくらい振り切れています。 これ、タブーで縛りつけたり、自身が縛り上げられたりするのが大好きな日本人が書いたら大炎上間違いなしだろうなあ。 

 

この本は世界中の知的な層を刺激したようで、 書名で検索すればものすごく高度で深い書評をたくさん見ることができます。 インテリなあなたはしょっぱい私の感想などではなく、ぜひそちらを参考にしてくださいね (≧▽≦)

 

それにしても、那須合宿の帰りにみんなで食べた蕎麦はおいしかった (^-^)

 

2017.7.23あしびな那須1.JPG

 

 

 

 

 

コメント
啓蒙の書「服従」を読み耽る院長どのの耳にも、女っけなしの部屋に閉じ込められた、雨の日のタフガイ達の耳にも、鶯は美しく声をかけていたのですね。私がいま練習中のヴァイオリン曲は、皆様ご存じ宮城道雄作曲の「春の海」なのですが、お琴のパートを弾くピアノの先生から、こう言われました。ピアノの導入部がたっぷりあって後、ほんの一寸のヴァイオリンソロ(原曲では尺八のパート)が入ります。でも誤解しないで下さい。主役は貴方なのです。私が出す音は竹の「そよぎ」であって、山野さんの出す音こそが鶯の鳴き声なのです。心を込めて弾いて下さい。と。老いた私に,艶っぽい鶯役が与えられることなど、考えもせず選曲していたことを、反省させられました(笑)。
  • 山野隆康
  • 2017/07/30 4:42 AM
山野さま
「春の海」ってどんな曲だったっけと検索したら、お正月定番のあの曲でした(≧▽≦)
この曲をヴァイオリンで演奏するとなると、音の"キレ"も聴かせどころな気がします。 艶っぽく鳴いちゃってくださいね〜(*^-^*)
  • 松本
  • 2017/07/30 10:13 AM
日曜合流できなかった組で、風張登ってきました(笑)
先日のあしびな日曜朝サイに、女子が参加されてましたよ。納車されて二日目だとか、、、続いてくれるといいですね。
文学的な記事に相応しくないコメント失礼しました(^_^;)
  • 青トゥーラン
  • 2017/08/01 9:35 AM
青トゥーランさま
一緒に那須岳を上るのを楽しみにしていたのですが残念でした(>_<)
女子! 奥手な彼らの奮闘を期待します(≧▽≦)
  • 松本
  • 2017/08/01 11:37 AM
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