行ってみたいよ縄文時代
- 2017.07.19 Wednesday
- 11:44
amazonプライムビデオのおすすめ映画を物色していたら「ライアの祈り」という作品の評価が高かったので観てみました。
ざっくり言うと、バツイチで結婚に絶望してしまった中年女性と、恋愛に不器用な八戸市の考古学研究員の中年男の分かりやすいラブストーリーなのですが、私が興味を惹かれたのはふたりが距離を縮めていくきっかけになったのが、お互いの中に存在した縄文時代を生きた人々に対する深い共感であったことです。
映画を観ながら昨年春ころのニュースを思い出しました。 それは、山口大と岡山大の研究グループが縄文時代の人骨を242ヵ所から2582点収集し、暴力による死亡率を算出したところ、傷を受けた痕跡があるものは23点で全体の1.8%であり、他国や他の時代と比較すると5分の1以下だったというもの。
縄文時代の世界人口は縄文前期で約100万人。後期でも1億人くらいだったようです。 たしかにこの人口だと、もめ事は少ないように思われますが、ヨーロッパなどでは同じ狩猟採集民時代でも大量虐殺を示唆する人骨が発掘されているようです。
いずれにせよご存知のようにその後の世界は、貨幣経済の浸透や産業革命などにより人口が爆発的に増加していきます。 そうするとどんな平和な社会でも住む場所や食料などを確保するための戦争が起こります。そのうえテクノロジーの発達で世界はどんどん狭くなっていき、結果たび重なる悲惨な戦争が繰り返されて来ました。
私たち日本人もすっかりその波にのみ込まれてしまった現代において、今さら何千年も昔の縄文時代の何かをほじくり返してみたところで何の役にも立たないのかも知れません。 しかしその縄文時代から3000年後、聖徳太子が定めた十七条憲法の第一条には「和を以て貴しと為す」とあります。 やはり私たちは平和が大好きな民族であることは間違いないところだと思います。
ちなみにその十七条憲法について検索してみると、「和(やわらぎ)を以って・・・」は、どうやら空気を読んで自分の意見を飲みこめと言っているのではないようで、第十条には 「人が自分の意見と違うからと言って怒ってはならない。人にはみな心があり、心があればそれぞれ正しいと思う考えがある。・・・自分は聖人でもなく、相手が愚人でもない。ともに凡人なのである。それゆえ相手が怒ったら、省みて自らの過失を恐れよ・・・」。 また第十七条には「重大な事柄はひとりで決定してはならない。必ず多くの人々と議論するべきである。多くの人々と論じ、是非を検討してゆくならば、その結論は道理にかなうものになるであろう」 と書かれていることからも、何ごとも公正で闊達な議論を重ねて皆が納得できるような政治運営をしましょうね、ということだったらしい。 知らんかった、、(>_<)
ハナシがあさっての方へ逸れましたが、世界がキナ臭くなってきた今の時代に、1万年も戦争がなかった縄文時代の暮らしに思いを馳せて、いっときほっこりしました(#^^#)
写真は映画の舞台である八戸の是川遺跡の近くで出土した国宝「合掌土偶」。 シャーマンの住居の祭壇跡で発見されたそうです。
乳房や強調された性器から性別は女性? 他の土偶とちがってその性器に切れ目があることや凹んだお腹は出産後を意味している? 仮面を被っている? 合掌のポーズは何に対しての祈り? ナゾだらけの土偶です。 縄文時代の平均寿命は、途方もなく高かった乳幼児の死亡率のために14.6才だったと推計されているとのこと。 やはり ”産まれた赤ちゃんの無事の成長を祈る母親” を象徴しているのでしょうかねえ。
(是川縄文館パンフ)
仕事の合い間に書いたので、読み返してみると何が言いたいんだかよく分からないとっちらかった文章になってました。申し訳ありません(>_<)
「ライア」は主人公女性が夢で見る縄文時代の若者の名前です。
「原始共産社会」、着想はほんとうに素晴らしいと思うのですが、なかなかうまくいきませんよねえ(^-^;