絵本作家の甲斐信枝さん

  • 2017.04.05 Wednesday
  • 15:06

 

録画でNHKスペシャル 「足元の小宇宙  絵本作家と見つける ”雑草” 生命のドラマ」 という番組を見ました。

絵本作家の甲斐信枝さん(86才)と、彼女が愛してやまない嵯峨野の農村の風景やそこにたくましく根付く雑草たちの1年を追ったドキュメンタリーです。

 

甲斐さんのお名前は存じ上げませんでしたが、彼女の本や絵はどこかで何度も目にしていた気がします。 番組を見て彼女がその絵に注いでいる思いの深さを知り、なぜその絵がそれほど絵本に興味のない私などの印象に残っていたのか分かった気がしました。

 

彼女の絵本は ”科学絵本” に分類されるそうです。 想像の物語ではなく観察や科学に基づいて作られるお話。 子どもの頃から雑草が大好きで、放課後にはいつも草笛を吹いたりタネを飛ばして遊んだりしていたのだとか。 その後、仕事をするようになっても雑草のスケッチを続け、40才で絵本作家デビュー。 代表作の「雑草のくらし」は30年経つ今も版を重ねるロングセラーになっているとのことでした。 

 

ノゲシやヒガンバナなどの雑草の細部を5〜6時間かけてスケッチしていると、その間にも植物の様子が変化していくのが観察できるのですね。 まさに宇宙の諸行無常を感じる毎日なのでしょう。 しかし86才にしてこんな長い時間最後まで変わらない伸びやかでブレのない筆はこびを維持する集中力と体力には驚かされました。 

 

番組ではハイスピードカメラを駆使して雑草たちの不思議で美しい営みを見せてくれます。 しかしそれは最新テクノロシーだけのお手柄ではなく、製作スタッフが甲斐さんと長い時間を過ごし、彼女の目線や感性を共有したことではじめてこの番組が魅力的なものになったのだと思います。

 

 

私もかなりの田舎で育ちましたので雑草は遊び友だちでしたっけ。 とくに夏の草いきれの中、腰丈ほどの雑草の茂みをかき分けかき分け、ごんごん進んで取っておきのゴリ(川魚)突きの穴場の岸辺に到着。 ヨモギを石で叩いて水中メガネのくもり止めに。

子どもの頃は学校や家庭や、あたかも世界のすべてが大人たちのコントロール下にあるような窮屈な錯覚の中で暮らしていましたので、雑草生い茂る自然の中に飛び込んでいくときの開放感たるや、まさにパラダイス!でした。

 

美しくしつらえられた庭園などの素晴らしさも分からないわけではありませんが、どんなに高尚な宇宙観に基づいて造られた庭園でも、どこか人間が安心できるように調和がとれてしまっています。 私はその人間用の ”調和” をやっぱりちょっと窮屈に感じるんですよね。 それに対して、ちょっと見はかわいい道端の雑草の花でも、人間の文明をすっかり吞み込んでしまうような暴力的な力が秘められているのかと思うと、ちょっとMっ気的なあこがれを感じてしまうんです(笑)

 

甲斐さんは雑草に対して、この地球上で必死で生きる仲間としてのシンパシーを感じていると話していました。 私とちがって正しい雑草の愛し方だと思います(笑)

 

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通勤路のつくしん坊

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ミチタネツケバナ

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ヒメオドリコソウ

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コメント
86歳の高齢で、なお精密な植物観察の出来る甲斐信枝氏のお話に驚かされました。やはり非凡な才能と言うべきで、誰でもが望めるレベルでは無いと思います。院長どのの幼児期における雑草との関わり、田舎育ちの私にはよく分かります。しかし私の場合、一寸困った一面が有ります。一例を挙げれば、水芭蕉の美しさを未だに認知出来ないことです。私達悪童どもは、水田の脇に在った湿地の中で、この花に出会うと「蛇の幕」だーと叫びながら棒で叩き潰してしまいました(一種の恐怖心を伴って)。それが88歳の現在でもなお脳裏に残っているのです(笑)。美学的なセンスは、幼児期から養うべきおのと信じています。
  • 山野隆康
  • 2017/04/06 5:10 AM
山野さま
甲斐さんは山野さんと同じで、好奇心やワクワクを燃料にしてお元気に過ごされているんだと思いました。見習いたいです!

「蛇の幕」をググッてみました。
北海道では水芭蕉を「蛇の枕」と呼ぶそうです。 水芭蕉の苞(ほう)の中は外気より少し温度が高いらしく、雪解けの沼地から這い出て来た蛇が入り込んで寝るのだそうです。 口伝えを繰り返すうちに枕が幕に転じてしまったのでしょうね。 勉強になりました(*^-^*)
  • 松本
  • 2017/04/06 10:29 AM
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