旧作映画な日々(その7)

  • 2017.02.20 Monday
  • 16:40

 

最近はまた読書を再開しましたので、旧作映画鑑賞はペースダウンしてます。 それでも週2本は観てますヨ。

 

「コンセント」★★★★★

2001年公開。 とても興味深い内容の映画でした。 現代医学はシャーマン的意識状態を病気と見なしていますが、時代をさかのぼればシャーマンは社会にとって、なくてはならない存在でした。 映画はその資質を持った主人公の女性が、苦しみながらもその能力を自覚し、精神的に傷ついた人に救いをもたらすことの喜びに目覚めるというお話し。 監督は中原俊。 東大文学部宗教学科を出たあと日活でロマンポルノを撮っていたという、ちょっと変わったキャリアを持つ人。 しかしこの映画はそのキャリアがどちらも充分に生かされた内容でした。 スピリチュアルな要素をクールに分析していくので胡散臭さは感じませんでしたし、たびたびおとずれる濡れ場のシーンも自然な印象。 主演の市川美和子のお人形さんっぽい個性的なルックスと棒な感じのセリフ回しが、いかにも ”自問する人” という風に見えるので、かえって映画のメッセージを伝わりやすくしていた気がします。

信心するにせよしないにせよ、現代においては世界中の人の宗教観はだいたい三大宗教の影響を強く受けてしまいますよね。 昔は世界中に無数に存在したシャーマニズムや新興宗教も今ではサブカルチャー扱いされる傾向ですが、しかしそれでないと救われないという人が居るのも事実なんですよね。 いや、わたしは無宗教ですが ←誰へのイクスキューズやねん(^^;

 

 

「メゾン・ド・ヒミコ」★★★☆☆

2005年公開。 こちらは性的マイノリティのお話し。 主人公の女性(柴咲コウ)に、何年も会っていないゲイの父親(田中泯)がガンで余命いくばくもないので看取ってほしいと告げに来たのは、父の愛人のイケメン(オダギリジョー)でした。 父は伝説のゲイバーを閉めたあと、海岸沿いのラブホを買い取ってゲイ専用の老人ホームの館長をしていました。 そのホームにアルバイトに通うようになり、思い込みを克服して正面から向き合う覚悟を決めた主人公ですが、彼ら?との関係が近くなるに連れ、その深い苦悩を知ります。

LGBTの人たちの生きにくさは何となく想像できますので、「性的描写を見て自分も目覚めてしまったらどうしよう」 という恐怖からついついこのテーマの作品は避けてきましたが、「龍馬伝」の吉田東洋役で田中泯さんを知って以来、本業の舞踊の独演も見に行ったくらい彼のファンなのでついつい見始めてしまいました。 

ここのところ、世の中の流れは少しづつLGBTの人たちを理解し応援する方向に向かっていると感じています。 いわゆる”ノンケ”ではありますが、私も応援してますヨ! ←これも誰への言い訳やねん(≧▽≦)

 

 

「バンク・ジョブ」★★★★★

2008年公開。 舞台は1971年のロンドン。中古車店を経営するも借金取りに追われる毎日の主人公(ジェイソン・ステイサム)は、幼馴染みの女性から銀行強盗計画を持ちかけられます。 地下の貸金庫には王室のスキャンダルの写真が隠されており、事件はMI-5やギャングを巻き込んだ大騒動に発展していきます。 私はこの時代の車、とくにイギリスの小型車が大好きでしたので、冒頭に主人公の店に並んだ車を見たときにはよだれが出そうでした。 写真の左側は ’62シンガー・ガゼル、右側は '56ビッグヒーレー。ヒーレーの横にはMG1300も並んでいます。ほかにもフォード・トランジット、トライアンフやウーズレー、ミニ、ジャガー、ベンツ、ルノーなどが登場。 ため息が出ます。 私も20代の頃にはジョン・クーパーチューンのミニに乗っていましたが、これは過去に乗った車のなかでももっとも思い入れの深い一台です。

車のハナシばかりになってしまいましたが、映画はとても良く出来ていて楽しめましたヨ。 ここのところシリアスなテーマの邦画ばかり観ていましたので、よい息抜きになりました。 ノンクレジットのチョイ役でミック・ジャガーが出ていたのですが、それを知らなかった私は 「あれ?彼に似てるなァ」 と3回も巻き戻してしまいました。

 

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こちらが今から30年前に私が乗っていたMini。1971年に生産中止となったミニ・クーパーですが、1987年に日本のミニ丸山というショップが当時ご健在だったジョン・クーパー氏に依頼して新たにチューニングパーツを開発。 これはその1987年モデルでした。 ノーマルの42馬力から65馬力まで引き上げられており、峠道をスポーツドライブするにはほんとうに楽しい車でした。 当時ミニ用のエアコンは効率が悪く8馬力も食われてしまうので、夏は扇風機でしのいでましたっけ。 その後、結婚を機にステーションワゴンに乗り換えてしまったので、この車はレース車両として友人にドナドナされて行きました (T_T)

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コメント
冒頭の映画「コンセント」で思い出しましたが、私は小学校へ入学する直前のころ、御嶽さんの祈祷を職業とする女性の家に2週間ほど寄食したことが有ります。滞在の目的は接骨のための通院で、祈祷には関係が無かったのですが、私の出生時に父が命名をこの女性の祈祷に頼ったという経緯もあり、何かと行き来していたのだと想像されます。当時この家には寧日ならず客が来て、様々な祈祷を依頼していました。そして彼の女性は、神主さんっぽい服装に着替え、静かに(しかし張りのある声で)祈りを始めます。30分も経ったころでしょうか、女性とは思えぬ非日常的な声で、「そなたの願いとは?」と客に問いかけます。それは誠に厳粛な、畏怖を伴う雰囲気でした。滞在中何度も見聞きしていた私は、いつしか彼女の祈祷の相当部分を暗誦できるようになっていました。今から80年まえの田舎の風景の一齣です(笑)。
  • 山野隆康
  • 2017/02/21 5:58 AM
山野さま
80年前の記憶がそれほど鮮明に残っているくらいですから、山野少年にとってその体験は相当なインパクトだったんでしょうね。実体験のリアリティが感じられて背筋が伸びました(^^;)
宗教的権威が弱い地域では今でもイタコやユタなどの霊媒師が口寄せを行っていますが、当時は日本のどこでも問題解決の選択肢に祈祷を入れるのは自然なことだったのかも知れませんね。
  • 松本
  • 2017/02/21 10:35 AM
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