木の芽どき
- 2017.02.09 Thursday
- 11:52
ここのところ来院される患者さまの数が増えています。 外出するのがためらわれるくらい冷え込んだ朝でも、早くから多くの患者さまがいらっしゃいます。
日によって、あるいは1日の中でも昼夜の寒暖差が大きくなる春のこれからの時期を、昔の人は ”木の芽時” と呼びました。 「きのめどき」 と読んだほうが通りが良いので、ついそう使ってしまいますが 「このめどき」 が正しい読み方なのはいちおう知ってはいましたヨ(笑)
昔から、木の芽時にはおもに心が不安定になりやすいと言われています。 そしてもちろん、心と密接に関係し合っている身体も同じように調いにくくなるのは不思議なことではありません。
木の芽時が心や身体の健康に影響を及ぼすおもな原因は一般的に 「寒暖差によって自律神経のバランスが不安定になるため」 と言われています。 しかしそれは自律神経だけの問題ではないように思います。 この時期、動物が冬眠から覚めるように人間も身体全体のシステムが秋冬の自己保存モードから春夏の活動モードに切り替わり、その際に心身が消耗するではないでしょうか。 鏡に映った自分の顔は昨日までと何も変わっていないように見えますが、季節によって劇的に変化するのはまわりの植物や動物だけではないはずですよね。
木の芽時という言葉からは、心がふわふわと落ち着きがなくなる状態がイメージされがちですが、じつは ”うつ” の傾向も強調されやすい時期のようです。 実際、統計的にこの先3月から5月までの自殺者数はほかの月に比べて突出して多くなっています。 決算期であることや生活環境の変化が大きい時期と重なることもありますが、やはり気候的な影響も大きいのではないでしょうか。
都会で生活していると、この世界がきゅうくつな人間社会だけで出来ているような錯覚に陥ってしまいがちですが、日に日に増していくお陽さまの光の強さや公園の木の芽を観察していれば、自然の一部である自分自身に日々心身の変化があっても不思議なことではないと再確認する機会になるかも知れません。 寒くて多少身体はギクシャクしますが、お天気の良い日にはぜひ外に出かけてみましょう!
じつは私のPCも「このめどき」ではうまく変換されず、「きのめどき」でやっと「木の芽時」が出てきます。 そのうち「このめどき」と言う読み方は忘れられてしまうのかも知れませんね。
それより「春季発動期」という言葉を何十年ぶりに聞きました(笑) 自宅に牛や馬が居た私などは知っていますが、都会ではまず耳にすることがありません。使わせていただきます(*^^)v
激坂や風雨を身体で感じて、人間のちっぽけさを、痛感しますから(笑)。
木の芽のように、たくましくありたいものです。
激坂も風雨も出来れば避けて通りたいお年頃になってしまいました。みなさんに尻を叩いてもらわねばです(^_^;)
「i」「o」の規則性、納得しました。おもしろいですねえ(^-^)
京都や東京はほんとうに自然災害の少ない土地ですね。それだけに危機感が薄すぐる気がします。