2014/7/28 夏の北海道自転車旅 最終日

  • 2014.08.03 Sunday
  • 16:41

早朝から北風が強く、やはり今回の旅のメインイベントとして予定していたモーターパラグライダーは中止になりました。
おかげでのんびり過ごせることになり、朝食を摂ったあとパニアバッグやキャリア、宗谷湾から運んできた大量の昆布、洗っても取れないレインウェアに着いたオイルの汚れなど、いろいろな旅の思い出をまとめて自宅へ送るためにパッキング。

のんびり出発して、まずは富良野チーズ工房で若い女性や子ども達にまじって、アイスクリーム作り体験なんかしてみました。 ワッフル風のコーンも自分で焼いてね。 バニラも入れていないので富良野産の新鮮な牛乳の香りが後味にすっきりと感じられるすばらしい出来栄えでしたヨ。

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その後は30分ほど乗馬体験。 少しレクチャーを受けたあとは短いトレイルへも連れて行ってもらいました。 これは気持ちよかった。 二人とも初めてではないので御者も付いたり付かなかったり。もっと長い時間のコースにすればよかったなぁ。
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男ふたりで風のガーデンやら富田ファームやらを見学してもしょうがないので、ぼちぼ旭川空港へ向けて北上開始。
中富良野のメロン直売所で給水代わりにカットメロンを。 直径20cm近いルビーレッドのハーフカットで400円。 昼食でお世話になった富良野の寿司屋の大将が薦めてくれた美瑛選果のソフトクリームを食べる予定がなければ、カクジツ一人でまる1個行ってましたね。
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美瑛の丘に広がる色とりどりの畑の風景は時間を忘れてしまうほど美しいのですが、兼業とはいえ農家出身の私は、厳しい気候に負けずこの広大な土地を開墾した先人たちの苦労や執念を思うと、ただ切りとられた風景としては楽しめませんでした。
実際、おじいさんが香川から移り住んで、代々農業を営んでいるという方に苦労話をうかがったのですが、自分なんかにはとてもやりとげられる人生ではないように思われました。
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美瑛選果のソフトクリームは評判どおりおいしかったです。 東京では乳製品といえば濃厚なものが良しとされる傾向ですが、地元の方が薦めてくださる乳製品は、ほとんどがすっきりと淡泊でいて牛が育った環境がイメージできるような、しっかりとした後味が残るものが多いように思います。
ブツの見た目は東京の物でも同じなので、写真はソフトクリーム後に、疲労と旅が終わる寂しさで口数が減った次男を、彼が連れてきたグルーミーで表現してみました。
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半年ちかくもふたりで楽しみにしてきた旅も終わろうとしています。 旭川空港がある台地に上がってからも、ミラーを覗くと夕陽に映える北海道の風景をちらちら眺める次男の横顔。 空港に隣接する見晴しのよい田んぼで脚をとめてしばらく名残りを惜しみました。
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もうこれで北海道自転車ふたり旅は最後かもなぁ。 いや、どうかなー(笑)
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2014/7/27 夏の北海道自転車旅 4日め

  • 2014.08.02 Saturday
  • 20:27

今朝は、というか昨夜から降りっぱなしでした。 今日の行程は短めの90km弱とはいえ、きびしい一日になりそうです。
出発間際、宿の車寄せを汚さぬように気をつけながら、この旅で初めてのウェット用チェーンルブを注しました。

深い轍の水たまりが、なお叩き続ける雨に乱され空さえ映さぬねずみ色の道を、500mほど走った右手の丘にひろびろとしたひまわり畑。 空の暗さに向けて光を放つ、まるで黄色い照明装置のようなひまわりを見ていると、なんだか励まされたような気がしてすこし元気が出ましたヨ。
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雨は時間を追って強くなり、雨竜町から滝川市がピークでした。 東京で言うゲリラ豪雨のような時間帯は路肩に水が溜まってしまうので段差がほとんど見えず、しばらく様子を見ざるを得ません。 平成6年に廃坑になった赤平市の 「旧住友赤平炭鉱立坑櫓」 の写真も撮りたかったのですが、カメラどころかケータイを出すのもありえない雨量でした。 ただ、600mの地底から石炭を巻き上げていたという滑車が豪雨に煙るさまは記憶に残る迫力でした。

こんな状況も自転車旅の醍醐味。 そんなことは言われなくてもわかっているようで、次男は毒づくこともなく淡々と付いてきます。 父親としては2年前からの成長が見てとれて、まぁ少しはうれしかったかな。


こんなに降るとは思わず、お気に入りの白いキャップをかぶって来てしまったことを後悔しました。
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空知川を遡上したところにひらけるのが富良野盆地。 宿まであとひと頑張りです。
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夕食は地元農家出身のオーナーシェフの店へ。 自分はちょっと苦手な羊。 次男が食べたことがないというので、飼料にこだわって育てられたという富良野産のサフォーク羊のステーキを注文してみました。 臭みではなく風味が生きたお肉でした。 おそらくきちんと運動させて育てているのでしょう、ほどよい噛み応えも。 年齢とともに牛肉が重く感じるようになった私でもどんどんすすむおいしさでした。 
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ケータイ写真ですみません。




今回の旅の動機となった富良野上空から十勝岳を眺めるモーターパラグライダー。 問い合わせたところ、明日は風が強そうなので飛行中止の可能性が大とのこと。 ふたりともここまでの旅を十分楽しんだので、思いのほか落胆することはありませんでした。 さて、最終日の明日はどう過ごそうかと考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていました。
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2014/7/26 夏の北海道自転車旅 3日め

  • 2014.08.01 Friday
  • 18:14

今日から2日間は、お天気が良くなさそうなので気分もすこし湿りがちの出発となりました。 天文台の猫もかったるそう。
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留萌までは昨日と同じ海岸線。 ただ、オロロンラインと違ってだいたい10kmごとには小さな町があり、神コンビニの「セイコーマート」が迎えてくれますので補給のストレスはなくなりました。 今にも泣きだしそうな空を見上げながら1時間も走ると、さっそくパラパラと。 お天気好転する見込みはないのですぐ脚を止め、廃校になった小学校で雨支度のフル装備。
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途中、海水浴場がある鬼鹿の町で食事をとりました。 雨の中、テントを張ってでもビーチを楽しみたい家族連れがあちこちに。 ちょっとシュールな画でしたが、短い北海道の夏はそれほど貴重な時間なのでしょうね。
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店内にひとりもお客のいない海の家のスタッフ女史たちも 「ヒマ疲れしちゃうなぁ」 なんて嘆きながらぼんやり海を眺めていました。 30代の豪快で明るい方と、もうひとりは20才前後の笑顔に不思議な魅力をたたえた小柄な娘さん。 聡明さが目や言葉選びに表れていました。 きっと地域の役に立つ人になると思われましたが、東京の話題になると憧れとあきらめが表情にうかびます。
若い頃、都会から遠く離れた町で長男として育ったものの、自分らしく生きるために大きな選択をしなければいけなかった頃の葛藤が思い出されて少し切なくなりましたっけ。






いつもはおやじギャグに冷たい次男ですが、疲労からかテンションがヘン。 留萌にあった「増毛」(ましけ) の標識がツボにハマッたらしく、どうしても写真撮れと。
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人のことは言えません。 補給のセイコーマートから出ようとすると、タンクローリーが頭を振って目の前の駐車スペースに入って来たのを見て大笑いしてしまいました。 白線にはそのアタマしか入っていません。 どうやって発車するのか興味がありましたが、運転手さんはのんびりお弁当を食べ始めた様子なので後ろ髪を引かれながら出発しました。
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内陸の山あいに入ると雨足は強くなりました。交通量も増え路肩の荒れも目立つようになってきたので、キャリアの浅い次男には集中力を切らさないよう、くどいくらいに声をかけます。


視界が開けて風景が田園風景に変わると、そこが今日のゴール北竜町。 宿まであと2kmというところにある果物屋さんで道を尋ねたのですが、話してるそばから次男は茹でとうきび、私は真っ赤に熟したソルダムが気になってしょうがありません。
写真を撮るから動くなと言っても耳に入らない様子でブレブレ写真です。
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大きなひまわり畑は宿からはすこし離れていましたが、窓の外の小さな畑にもつぼみがたくさん。
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2014/7/25 夏の北海道自転車旅 2日め

  • 2014.07.31 Thursday
  • 16:02

宿に送っておいたパニアバッグを振り分けて、いよいよ旅らしい装束になった自転車。 今日は道北の日本海側を南下します。
ふだん乗りには、じゃまくさく感じるコラムを切らないのは、旅でパニアを付けたときに極端なアップライトポジションの方がママチャリっぽくポタポタ踏みやすいですし、なにより視界が広がるからです。
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稚内からノシャップ岬の付け根を横断すればすぐ日本海です。 波頭の白さが重なる海が目に入ると同時に、予報どおり目を細めたくなるくらいの南西の風。 今日は厳しい行程になりそうだなァ。
右に利尻島、左にサロベツ原野を眺めながら、商店も民家もないオロロンラインをひたすら南下。 絶えず吹きつける風に耐える姿勢がそのまま生きるかたちになってしまった木々、湿原の沼に繁る青草のあいだでくつろぐ昆虫たち。 きびしさとおだやかさが混在する原野の匂いをかき混ぜる海風。この区間は今回の旅でいちばん印象に残る景観だったかも知れません。
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左下の道に小さく次男がいます。


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オロロンラインのあちこちに群生する野ばらの一種、ハマナスのピンクの花。


サロベツ原野を抜けようかという場所にある 「砂の駅」 というドライブインでひと休みしたのですが、ここで飲んだ地元産の牛乳は、やっと人心地がついたこともあってか過去イチのおいしさでしたねえ。 


遠別を越えて、今日の目的地である初山別の標識が見え始めた頃だったでしょうか、右手の丘に小さな牧場が見えました。
牛が伝染病に感染することを防ぐため、ほとんどの牧場の入り口には「立入禁止」の看板が掛けられています。 こちらの牧場にも番犬の小屋の脇にしっかりと掲示されていました。 ひるまず隣接する牧場主さん宅のカギのかかっていない玄関を開け 「牛の写真を撮らせていただけませんか?」 とお願いしたところ 「いいよいいよ、なんなら撫でてあげて」 と快諾をいただきました。
無類の動物好きで進路に畜産を考えたこともある次男は、いろんな動物とすぐ仲良くなるのですが、観察しているとまず声を発することがありません。 動物を擬人化してこちら側の感覚を押し付けるのではなく、自分自身を動物の感覚に添わせることに集中しているように見えます。 人間なにかしら取り柄があるものだなあ、と少し感心しました。
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初山別では海岸の段丘の宿を予約してありました。 隣接する天文台は一般に開放されており、天体観測を楽しみにしていたのですが、あいにくの曇天で叶わずでした。。。
天文台のとなりにあるキャンプ場では、キャノピー付きの原付で日本一周をするお父さんがテントを張っていました。 もう少しゆっくりお話しすればよかったなあ。
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2014/7/24 夏の北海道自転車旅 1日め

  • 2014.07.30 Wednesday
  • 18:49

ほんとうのところ、今年の夏は屋久島をトレッキングしてやろうと、昨秋から歩く練習をしていました。
ところが2月のある日、リビングで動画を観ていた次男に、うっかり富良野でのタンデムのモーターパラグライダー体験者の動画を見せたのが運の尽き 、「これやりに行こうよ」 と、まさかのリアクション。 まあ、もちろん私もそういう返事を少しは期待していたところもあるのでしょう。 一昨年の道東サイクリングが最初で最後の親子旅のつもりだったのですが、つい「お、おう・・・」と返事をしていました。

せっかくの北海道です、自然の濃さと人のおおらかさを感じたいので、今回も大きな街ははずして稚内空港から南下、富良野を経て旭川空港がゴールのルートを引きました。

当初の週間予報はわりと良好で、油断の上にあぐらをかいて荷物をパッキングしていましたが、台湾で大きな被害を出した台風10号が大陸で温帯低気圧に変わって北海道にまわってくるとのこと、旅の後半部分は雨覚悟です。

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昼過ぎに稚内空港に到着後すぐに宗谷岬をめざしました。 かなりの追い風をもらって45km/h以上で23km。 ふだんほとんど自転車に乗らない次男は、もともとうらやましいほど先のことを気に病まないキャラ。折り返して同じルートを戻ることを説明しても動じる様子はありません。
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しばし脚を止めて、自営業の厳しさをしみじみ語る父。
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追い手に帆立ててしゅらしゅら行くうちに、あっという間に宗谷岬が近づいてきました。 切り立った岬の断崖の尾根には40基を超える風力発電機が華奢な白い羽根にオホーツクの風をうけ、ゆったりと回転子に力を伝えています。
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もう間もなく宗谷岬という入江にある、富磯漁港わきの浜にさしかかると、干した昆布をせわしく取り込む漁師さんの家族があちこちに。 写真を撮らせていただけないかとお願いすると、「ちょっと手伝っていきなよ!」といたずらっぽい笑顔。 若い次男に貴重な経験をさせてあげたいというやさしさがうれしくて、選別のコツを教わったあと、ほんの15分ほど手伝わせていただきました。 帰りにはビニル袋に大量の昆布を詰め込んでリュックにくくりつけられ、海風にヒラヒラ遊ばせながら走りました。
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水平ががが・・・

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いちおうお約束の。
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のっけから、道北の人のあけっぴろげパワーに触れ、すでに成立してしまったも同然の旅の充足感にひたりながらの帰路は、もちろん向かい風なんか苦になるわけもなく、あっという間に稚内市内の宿に。 


夕食は宿で教えて頂いた、地元の人が通う食堂 「竹ちゃん」 で。
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秋の299サイクリング

  • 2013.10.16 Wednesday
  • 11:55
 
先週末は、久しぶりに暦どおりの連休をいただきました。
のんびり過ごそうという予定しかなかったのですが、そこは貧乏性、2日前に突然思い立ち、国道299を起点(茅野は終点ではないらしい)までサイクリングすることに。 このルート、話しにはよく聞きますが走ったことがなかったのです。 日帰りも可能なのですが、出発時間が遅いので茅野に宿も押さえました。

始発電車で飯能まで移動して6:30頃にスタート。 時間に余裕が欲しいので、名栗みちではなくはじめから299で。 それでも180kmで3,700mの獲得標高。 以前走った宇都宮のブルベほどではありませんが、まぁこってりですね。

昨日までの夏の陽気はどこへやら、凍えるほどではないけれど、川筋を伝ってくる北西の向かい風がひんやりしています。

苦手な向かい風にもてあそばれながらも、順調に進んで十石峠にさしかかると、通行止めの看板。
以前、アタック299というイベントに参加した方のブログに、通行止めの事が書いてあったのを思い出しましたが後の祭り。 たしか「迂回路に設定された林道は相当な斜度で辟易した」とも書いてあったような。。
入りの5kmは平均12%くらい? 「矢弓沢林道」しばらく聞きたくない名前です。 矢沢さんとか弓子さんもNGなレベル、患者さんで該当する方、顔に出てしまったらゴメンナサイね〜(笑)





十石峠を下ろうとウィンドブレーカーを着る際、ファスナーを壊してしまいました。 陽がある下りでもかなり冷えるので、麦草峠を16時過ぎから下るとなれば、即身仏体型の私はリアルほとけさま必至です。 小海線の線路もおいでおいでしているようですし、ここでR299とはお別れして輪行に日和りました。 列車の時間に合わせて、食事したりしながら小海駅あたりまで散策。

途中、馬流という駅近くで「秩父事件」に関わった人たちの墓があるとの看板を発見。
以前友人から、彼のご先祖様もその事件に加わったという話しを聞いていたこともあり、手を合わせに向かうことに。 しかし、墓碑銘を見て驚きました。「秩父暴徒戦死者之墓」。
いかに政府に弓引いた人たちの墓とはいえ、あんまりだと思いましたが、調べてみるとこの墓は、蜂起を指導した困民党総裁の菊地寛平の孫たちが建てたものだと知りました。 建立された昭和8年当時では、この表記が限界だったのでしょう。





稲刈りの懐かしい匂いに誘われて、しばらく眺めてしまいました。 私の故郷では、8月のお盆前には済ませてしまうんですよ、と言ったら驚かれました。




夕陽に切り取られた八ヶ岳の山影を見ながら小海線に揺られ、茅野駅に着いたときには、18時前というのにとっぷりと日も落ち、真っ暗け。




宿の大浴場で寝落ちしそうになり、階下のレストランでトンカツ&グビグビしたあと、大の字で八重の桜を観ながら就寝。



翌朝は、おどかされたほど寒くなかったので、甲府まで走って特急かいじで帰還。
途中、富士見の道の駅で見つけた「えごまのおはぎ」。 ちょっと甘すぎたけど、じわ〜っと来る滋味に福々でした。




輪行でズルしまくったので、結果当初の予定どおり、あくせくしないのんびりな連休を楽しめましたとさ(笑)







 

2013夏のチャリ旅 最終日

  • 2013.08.08 Thursday
  • 18:53
 
たのしい時間が過ぎるのは、あっという間ですね。
今年の夏旅も、もう終わってしまいます。

今日は、白神山地の麓の西目屋村から、大館能代空港までの67kmの予定でした。 夕方の飛行機に合わせ、旅を懐かしみながら、白神山地の山懐をのんびり南下しようかなと。 ところが昨夜、宿の方と雑談するなかで、釣瓶落峠までの(青森県側)9kmが未舗装であるという事実が発覚。
まあ、雨でなければどうにかなるだろうと高をくくっていたところ、昨夜はバケツをひっくり返したような雨。 今日の午後も雨予報なので、やむなく35kmほど迂回することにしました。
最終日に100kmはつらい。。

ところで釣瓶落峠という名前がおもしろいなと思い調べたところ、現在のトンネルが出来るまでは200mほどの崖を鎖を伝って行き来する難所だったとのこと。 鎖をつるべ落としの縄になぞらえてたんですね。 聞いただけでおしりのあたりがゾワゾワします。

長距離トラックの多い国道7号線経由で空港へ到着。 この空港は1日に2便しか発着がないらしく、空港前の緑地公園も人っ子ひとりいません。 出発までは3時間以上ありますので、人目がないのをいいことに、木陰の芝生でひと眠り。





羽田着は19時過ぎ。 電車の混雑を心配しましたが、それほどでもなかったので輪行荷物でも気を使わずに済みました。 車窓に映る自分の伸びたヒゲを見て、そういえば昨年の夏旅から伸ばしたんだっけ。。 な〜んて、旅の終わりのセンチメンタル気分に浸りながら地元駅に到着。
地元の匂い、やっぱりちょっとホッとするんですよね。


今回の旅を振り返ってみて、いちばん印象に残ったのは、やはり”人”です。
今までにも、東北出身の友人や同僚と接することはありましたが、どうもリズムや感性が噛み合いにくいな、と感じていました。 今回の旅行中も、その印象が変わることはありませんでした。

会う方会う方、みなさんおだやかで親切で、旅の間一度もいやな思いをすることはありませんでした。
きびしい寒さ、たび重なる飢饉。 生き延びて行くために、助け合う心が風土に浸みこんでいるのでしょう。 震災の際には世界中に東北人の精神性の高さを示してくれて、誇らしい思いでした。 
ただ、多少の毒を腹に抱えているのがあたりまえ、というコンセンサスにもとづいた、都会の暮らしに慣れてしまった私などは、「それで、おまえはどうなんだ?」と、責められているかのような窮屈さを感じるのも事実です。

では、もう東北には行きたくないのか? と聞かれれば、もちろんノーです。
いつかまた、あのやさしさに触れたくて、東北に行きたくなることはまちがいありません。


なお、お話しをしていただいた何人かの写真を載せさせていただきましたが、みなさん了解を頂いています。 あのいい笑顔のおばあちゃんの津軽弁は解読不能でしたのでビミョーですが(笑)
三陸でお話しさせて頂いた方には、写真を撮らせて下さい、とは言えなかったですね。

2013夏のチャリ旅 5日め

  • 2013.08.07 Wednesday
  • 19:35
 
今朝も空は低いものの、どうにか降らずにもってくれています。

今日は、白神山地を少しトレッキングする予定。 山頂が見え隠れしている岩木山を右手に見ながら、白神山地への入り口、西目屋村へ。

今日歩く予定の「暗門の滝」コースは第一から第三までの、3つの滝をつなぐコースです。 世界遺産緩衝地域に指定されていますが、核心地域にもかなり近い場所なので、深い森の気配が感じられるとのこと。
1週間ほど前の情報では、大雨の影響により、いちばん手前の第三の滝でさえ通行不能ということでした。 西目屋村にある「白神山地ビジターセンター」に立ち寄って聞いたたところ、数日前にトレッキングコースは復旧して、いちばん奥の第一の滝まで行けるとのこと。 ラッキー!

写真は詳しくアドバイスしてくれた津軽美人です。




今夜泊まる予定の、白神公社の宿泊施設に自転車と荷物を預けて、公社が運営する入山の基地施設「ANMON」へ向かうバスを待っていると、プロのガイドであるヨネザワさんが声をかけて下さいました。 お言葉に甘えて彼の自家用車に便乗させて頂くことに。



この人、挨拶したときからもう、ふつうではないオーラがビンビン伝わってきます。
語り口も穏やかですし、ここで会わなければふつうのやさしいおじさんなのですが、登山道も全くない核心地域の原生林の中でさえ、知らない場所はないとのこと。
自信満々のアルピニストたちを案内するも、慣れない断崖だらけの沢登りに、たいがい泣きが入る話しとか、昔のマタギのワイルドな狩猟法とか、白神山地の保護についてとか、おもしろいお話しをタダでたっぷり聞かせていただきました。

ANMONでお礼を言って別れました。 滝へ向かう前に津軽峠のマザーツリーを見てみたくなったので、ここでバスに乗り継ぎです。 このバスにはビックリでした。傾斜もそこそこなのですが、マイカーを制限するために、10km以上の峠道のほとんどは未舗装。いやそれどころか道路の中を川が流れていたりする穴ぼこだらけの道を、何食わぬ顔でスイスイ走る運転手さん。 「慣れてますから〜」だそうです。 ボコボコ区間の写真はブレブレで載せられないのが残念〜。





津軽峠から見晴らす白神山地のブナの稜線は、こちらで見慣れた針葉樹のものとちがい、ブロッコリが並んだような丸ポチの連なりです。 あれがぜんぶ紅葉したら見事だろうなあ、と妄想。





マザーツリーはその名の通りとてもやさしい佇まい。 思わず木肌に耳を寄せたくなるような木でした。 おっさんがやるとキモいので、もちろん誰も見てないときにね(笑)




ANMONに戻り、レンタルのトレッキングシューズ(黒ゴム長)を借りて、いよいよ滝めぐりへ。 雨上がりでなければスニーカーでもいけそうですが、ゴム長無敵(笑)

滝も壮観でしたが、そこに至る沢の道の両岸は、100m近い断崖がかぶさる箇所があちこちにあり、スケールの大きい自然を満喫出来ます。



第二の滝の落とし口の脇にある遂道は、昭和の頃に、ある人が一人で手掘りで完成させたのだとか。




滝からの復路は、沢筋を離れてブナの森コースを選択。 古木あり若木あり、淡い緑が清々しくて、ここも気持ちよかったなあ。




ANMONに帰還して水を一杯。 おいしくないわけがありませんね。




帰りのバスを待っていると、ガイドを終えたヨネザワさんがまた声を掛けてくれて、宿への帰りもずうずうしく乗せてもらっちゃいました。



前から感じていたのですが、亜熱帯の植物さえ群生する、にぎやかな照葉樹の山で遊んで育った私は、雪を被って屹立する、刃物のような峰々の連なりを見ると、美しさよりも先に恐ろしさを感じてしまいます。 人間としての自分を意識しながら、厳しい自然と対峙するような登山は、楽しく取りくめそうに思えないのです。(富士山はちょっと登ってみたいかも)

森の中にいると、人間として自然と対峙するというより、自分自身が自然の一部となって、精霊の住処に溶け込んでいく感じがして、とてもリラックス出来ます。

なので、上記のヨネザワさんのような、森の達人にはあこがれますねえ。








2013夏のチャリ旅 4日め

  • 2013.08.06 Tuesday
  • 19:04

十和田湖の朝は、とてもしずかで言葉に表わせないほどの心地よさでした。
湖畔から立ち去りがたく、ずいぶん長い間、おだやかな風になでられる湖面をながめていました。





今日は弘前市までの65km。 距離が短めなので時間をぜいたくに使うつもりです。

十和田湖はカルデラ湖なので、湖から外輪山の頂きまではけっこうな斜度でした。 3kmの平均8.8%。パニアバッグの重さをうらめしく思いながら、牛スピードでのろのろと。 ときおり見晴らせる湖面の輝きに、うしろ髪を引かれる思いでしたねえ。 気に入った場所が見つかるのは、とてもうれしいものですよね。



十和田湖の外輪山から弘前側に流れる浅瀬石川上流で、橋の欄干にポツンと座ってる男の子。 人里離れた山中なのでほんとに途方にくれてるよう、爺さん心をくすぐります。




あちこち寄り道しながらのんびりです。 現役で活躍中のおばあちゃん、いい顔ですねえ。


ついでにおじさんも。



若いころは、ひとり旅の何がおもしろいのかが、さっぱり分かりませんでした。
友人や家族と一緒に、効率のよい交通手段で遠くに出かけて、めずらしい風景を見ておいしいものを食べれば満足でしたねえ。
数年前に自転車と出会い、「ブルヴェ」という長距離サイクリングイベントに参加するようになって初めて、ひとりで遠くまで足をのばし、いろいろな風景をゆっくり眺めながら走る楽しさを知りました。

しかし年齢のせいでしょうか、どんどん移り変わる景色をスライドショーのように観ているだけでは、飽き足らなくなってきたのです。 それらのすばらしい風景のなかで育まれた人柄や暮らしに触れたくてたまらなくなり、最近はすっかり今のスタイルの自転車旅が気に入ってしまいました。

気の合った者同士の旅はとても楽しいのですが、日常の延長のまましゃべっていると、地元の人と話す機会も少なくなりますし、触れ合うのも観光客相手のお店の人に限られますよね。

ひとり自転車で大荷物載せて走っていると、地元の人も警戒心なくいろいろなことを話してくれます。 彼らにしても「あの自転車はどこから来てどこまで行くんだろう」「何を目的に走っているんだろう」、みたいな好奇心が満たせますし、雨の中トボトボ走っているのを見ると、出来ることがあればしてあげたいという、もてなしの心が湧くのが人情ですよね。 そこにつけこんで楽しんじゃうのが自分流(笑)



青森といえば「りんご」。 りんご園では、すこしづつ色づきかけた、瑞々しい青りんごたちがたくさん実っていました。




弘前城に着くと、「りんごアイス」で涼をとりつつ、おばちゃんから情報収集。
残念ながら、城内の博物館は改装で休館中とのこと。 パンフレットを見せながら、桜の頃のこのお城がどんなに美しいかを話してくれました。 桜の弘前城観るよりも、おばちゃんの一所懸命さのほうがうれしいッスよ。





コンビニにたむろってる高校生たちに弘前観光ガイドしてもらったり、ラレー乗りのご主人のカフェで地元サイクリスト事情を聴いたりと、今日は街をしっかり楽しみました。

2013夏のチャリ旅 3日め

  • 2013.08.05 Monday
  • 19:28
 
今朝も、5時頃までは雨だれが聴こえていましたが、朝食を終えたときにはすっかり上がっていました。
今日は、八戸〜奥入瀬渓流〜十和田湖の82km、海の匂いと打って変わって、東北の深くて濃い緑の山の中へ向かいます。


十和田市の農村地帯を走っていると、砥石を前に並ぶおじさんたち。包丁や鎌などを研ぐボランティアだそうです。 この後、刃物と一緒に作物や甘い物などを手に、次々に近隣の奥さまがたが見えていました。





奥入瀬渓流手前の農村部を走っていると、遠くに若い夫婦が仲良く作業しているのが見えました。 大きな犬が番をする住まいの庭を、無断で通って辿りつくと、どうやらニンニクの選別をしているようです。 青森県はニンニク生産量全国1位(60〜80%)。 中でもここ十和田市がもっとも出荷量が多いそうです。 日々の暮らしやお子さんのことなどを、鶴瓶よろしくあれこれと。10分ほどおじゃまして失礼しました。 

それにしても、侵入者になついてたら番犬にならなんだろチミ。







奥入瀬川は、長雨のせいで中流から濁っていました。 以前写真で見た奥入瀬渓流は、岩にしっかりと苔が付いていましたので、きっと水位の変化が小さいはず。 ひょっとしたら絵葉書のような風景に出会えるのでは、と期待しましたが、澄んだ流れが見れたのは湖からの流れ出しの数十メートルだけでした。 しかし流れに気を取られない分、森の深さを堪能しましたヨ。
ブナの葉のフィルターに染められた淡い緑の中、降りだした雨のせいもあって、立ちこめる森の空気はクラクラするほど濃密です。 都会で出会う強い匂いはどれも苦手なのですが、森の匂いはウェアにまで沁みつきそうなほど濃いのに、肺の奥の方の細胞までもが、こっちにもこっちにも、と深い呼吸を望みます。




早めに十和田湖に着いたので、十和田神社参道の土産物屋をひやかしていたら、こけし屋さんの若旦那が郷土の歴史に詳しくて、1時間近くもおしゃべりしてしまいました。
南部藩の霊場でもあった十和田神社のミステリーは必聴です。 十和田湖へお越しの際は「高瀬商店」へぜひ!



十和田神社の森を抜けて湖畔に出ると、高村光太郎最後の作品と言われている「乙女の像」。
智恵子を失ったあと、7年間岩手の山村に暮らし、その間彫刻刀を握らなかった光太郎が、「智恵子をつくります」と宣言して制作に臨んだとのこと。
そんな謂れも、この像を現地で見て、強く心を動かされた後で調べたもの。 静かな時間にこの作品に向き合えたことはとても幸運でした。



夜は湖畔の民宿「和み」泊。 どうやらおかみさんは、先ほどの高瀬さんと高校まで同級生だったらしいです。 この宿もおすすめ。 特に「ヒメマス」の刺身は絶品でした。 いつもだと、淡水魚の刺身は寄生虫がこわくて口にしないのですが、十和田湖のものは、低水温域のうえ外部との往来がないので絶対安全と聞いてチャレンジ。 食べ物のことはあまり書かない私ですが、これはうまかった!

写真、ひときれ食べちゃったあとで失礼


宿では、掛川から来たという、66才のひとり旅ライダーと話がはずんで夜更かし。
カッコよく年齢を重ねている先輩方があちこちに居るので、「老後なにするものぞ!」 と勇気づけられます。

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