あと、もうちょっとかしらん。

  • 2020.05.20 Wednesday
  • 12:12

 

全国的に感染者数が減って、ほとんどの県では緊急事態宣言が解除されました。やっと出口が見えて来た気がしますね。もちろんまだ油断は出来ませんが、感染者数がどんどん増えていった頃の、危機的な状況はどうにか脱したのではないでしょうか。

 

平常時には、目の前のタスクに追いまくられて忙しく過ごしている現代人。私もその中のひとりです。日々がいくら忙しくても、なるべく自分自身の内面と向き合うことを心がけているつもりではありましたが、これだけ自粛の期間が長びくと、どうしても心はより内省的になります。自身の健康面や経済面の不安はもとより、社会の行く末も心配です。しかし不安だからと言って、ネガティブな想念の沼に沈んでしまって絶えずため息をつくような心でいると、姿勢は乱れてあちこちが凝るし、胃腸の動きは悪くなるし、とっても健康に良くありません。

自分の心を深く覗き込んで、自分自身を探求することは人間であることの証明。ただ、沼に足を取られそうになったら、自分のことを客観的に観察する視点も忘れないことが大切だと思います。

こんなときは誰かに、「あなたは大丈夫。そのままでいい」と言ってもらえると、ものすごく心が救われますよね。もし自分の身の回りですこし元気がなさそうに見える人が居たら、そう声をかけてあげましょう。

 

メンタルをコントロールすることがたいへんな上に、自粛期間中はお勤めの方も自宅で勤務する時間が長くなっています。自宅では、会社のデスクのように長時間のパソコン操作を前提とした環境が整っていないことが多く、不自然な作業姿勢で調子を崩して来院される患者さまが増えています。やはり身体のためにも心のためにも運動は必要です。時間や場所を選び、もちろんマスクなど十分な対策を講じた上で短時間でも外へ出て、ウォーキングやサイクリングで筋肉のポンプを働かせることをお勧めします。

 

 

写真は、去年の今頃に次男と秩父へオートバイでツーリングに出かけたときのもの。気分のおもむくままに遠出できる日が待ち遠しいですね(^_-)

 

 

 

 

 

 

 

不安な心と暴力衝動

  • 2020.04.13 Monday
  • 16:43

 

4月7日の非常事態宣言発令から6日が経ちました。新型コロナウィルスの潜伏期間は1〜14日間(平均5.6日)と言われていますので、自粛強化の成果が表れてくるとすれば、この先新規感染者数が減少に転じて来るはずです。油断しないで感染予防に努めて行きましょうね。

 

先日のこと、何の気なしに観ていたテレビで心理学者の先生が、「キャンプなどで、子供に怖い話をいくつも聞かせて不安な気持ちにさせると暴れはじめるのですが、現在のような状況での主婦層の買い占め行動はそれと同じ心理から来るものです。」と話していました。心理学や精神医学には明るくないのでそれが本当なのかどうかは分かりませんが、SNSでの怒りツイート増加やテレビのコメンテイターなどの言動、DVが増加傾向であることなども含めて、たしかに不安な気持ちが攻撃性につながっているのかも知れません。

 

日曜日、少しサイクリングしたあと本を読み始めたものの、いつものように没入できません。やはり不安な心が邪魔をしていたのだと思います。そこで、自分の心理を利用してちょっと実験してみようと考え、プライムビデオでふだんはあまり観ることのないドンパチ物のアクション映画を観てみました。不安な心が暴力衝動を呼ぶとすれば、そっち系を観て発散すれば少し気分に変化が起きるのではないかと考えたのです。

観たのは「コロンビアーナ」。脚本・制作は「ニキータ」「レオン」のリュック・ベッソンです。父親をマフィアのボスに殺された少女が成長して殺し屋になり、ついには復讐を果たすというもの。主演はゾーイ・サルダナ。 何しろこれでもかと言うくらい殺しまくります。2時間近い作品なのですが、すっかり没入してしまい、あっという間に観終わってしまいました。結果気分はスッキリ! このテは使えそうです。

 

自分の息子が思春期の頃、戦闘ゲームにハマッていることを少し心配な気持ちで見ていましたが、大人に成長した今はメンタルのバランスに問題はありません。ストレスフルな思春期の暴力衝動を仮想空間で発散していなのかも知れませんね。まさかこの齢になって息子の思春期と同じ次元の憂さ晴らしをすることになるとは(^^;

 

こんなことを書いちゃった私は、こんなご時世に人殺し映画など不謹慎だとお叱りを受けるかも知れませんが、みなさんがこっそり観る分には誰にも叱られません。ちょっとストレス溜まって来たなァ、と感じている方はいちどお試しになってみては?(^_-)

 

 

 

 

 

 

 

 

痛みの閾値

  • 2020.03.11 Wednesday
  • 15:25

 

接骨院院長のブログなのに、いつも遊びのことばかり書いてしまっていますので、たまには身体のことも。

 

ときどき「痛みに強い人」とか「痛がりさん」という言葉を耳にします。なぜ受傷した本人ではない人が痛みの程度を評価出来てしまうのでしょう。

正常な中枢神経・末梢神経を持つ人の多くは類似した疼痛閾値を持つことが知られています。閾値とは組織から発せられる情報を痛みとして認識するかどうかの敷居値のこと。「閾値が高い=痛みを感じにくい」「閾値が低い=痛みを感じやすい」ということです。他者が見ても、ある程度損傷の評価が可能な切り傷すり傷などでは、その評価から予測される痛みを大きく上回る訴えがあると「痛みに弱い」とか「痛がりさん」と言われてしまうのです。

 

接骨院の治療対象は、切り傷すり傷などの「創」のないケガの患者さまですが、それでもやはり他覚的な所見とご本人の訴えに開きがあることはめずらしいことではありません。

 

ただ、同じ個体であっても疼痛閾値は常に固定されているわけではなく、さまざまな要因で上がったり下がったりします。季節の変化、あるいは日々のお天気の変化、疲労の度合い、精神的なコンディションなどなど。

 

痛みは身体の異常を知らせる重要な情報ですので、やたらに痛みに強ければ良いというわけではありません。しかし、現代人の生活習慣では、痛みに過敏であることが悩みの種になることの方が圧倒的に多いようです。

 

疼痛閾値を高く保つための対策のひとつに、適度な運動が挙げられます。

ある程度の強度を伴う運動を習慣にしている人は、運動しない人に比べて疼痛閾値が高いことは知られています(exercise-induced hypoalgesia:AIH)。野生動物はもちろんですが、人間も原始の頃には狩猟や採集で毎日運動をしていたわけですから、運動することで身体のバランスが調うように出来ているのでしょうね。

ほかにも、深呼吸、音楽、アロマテラピー、気の合う仲間とのおしゃべりなども疼痛閾値を上げるために有効だと言われています。

時節柄、屋内のスポーツ施設には足が向かないかも知れませんが、木の芽もほころび桜もまもなくです。強度がそれほではない有酸素運動でも経験的には効果があると思われますので、広々とした公園でウォーキングなどいかがでしょう(^^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NHK「東洋医学 ホントのチカラ」

  • 2018.09.28 Friday
  • 12:00

 

先日放送されたNHK「東洋医学 ホントのチカラ〜科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ〜」を見ました。

番組の前半部は鍼治療の紹介にかなり長い時間が割かれていました。

 

いや、期待し過ぎました。「科学で迫る」のふれ込みでしたが、ふたを開けてみるとよくある健康番組の鍼治療の取り上げ方と同じで「この経穴(ツボ)に刺激を加えればこういう効果が得られます」的な、パフォーマンスで視聴者の関心を引く構成でした。

 

以前、NHKでは鍼治療の作用機転の新発見について紹介していました。 従来の説では、鍼が筋肉を緩める作用が強いのは、皮下に鍼や灸の侵害刺激が加わると、白血球やリンパ球などの免疫系を遊走させるためにフレッシュな血流が患部に届くので、疲労物質や発痛物質の排出がスムーズになる。すなわち血行が促進されるためと言われていました。

しかしその番組では「ツボを刺激すると筋肉が自分自身を緩める化学的な成分を放出するから」という新説を紹介していました。 その時点ではまだすべてが明らかになっておらず、近い将来にきちんとした学説として発表されると聞いたように記憶しています。

きっと、その説の全容が紹介されるのでは!?とワクワクしながら帰路を急いだのでしたが、、

 

私の空振りはさておき、やはりテレビ番組の短い時間で視聴者に東洋医学を理解してもらうのは無理があるなとも感じました。

 

番組では、鍼灸治療において治療の指針になるのは気血の流れを表した「経絡」という考え方だと紹介されていました。

しかし、実際にはインフォームド・コンセントが当たり前のいま、現代の科学で解明されていない経絡のみを治療の根拠とする治療家はそれほど多くないと思います。

 

私も鍼師になった頃は、治療に窮すると古典的な理論に頼ることもありました。 しかし長年治療を続けていると患者さまの筋肉や関節の痛みの多くは日常的な身体の使い方に原因があることが分かって来ました。 重力バランスや呼吸法の乱れ、頭や手足が先に動いてしまう末梢主導の動きによる負担が積み重なって不調につながるケースがとても多いのです。

患者さまの身体の使い方の問題点を診れるようになると、その動きの中で過剰な負担にさらされる箇所の連鎖が診れるようになります。その連鎖が経絡と重なるのはとても興味深く、おそらく先人たちもそのような経験から経絡という考え方を編み出したのではないかと想像します。

経絡図は、経験の浅い治療家がその必然を理解しないまま図を頼りに治療箇所を決めても、ある程度の効果が期待できるところにその素晴らしさがあると思っています。 あるいは辺境の地の無医村などにおいても経絡図はおおいに活躍したことでしょう。

経絡については現代医学的な検証を重ねて研究を続けている先生もいらっしゃるので、今後の成果に期待したいと思います。

 

 

私が鍼師になった頃は、西洋医学の先生の中には東洋医学を「根拠のない野蛮な治療」と考える方が多く、それに対し東洋医学の治療家は「歴然とした効果が認められるのに理論的に説明できないのは西洋医学の限界」と反発していました。

 

最近では、大きな病院のペインクリニックなどにも鍼師が常駐しているところが増えていると聞きます。 とても好ましいことですね。

やっぱりどんな世界でも、仲良くするとみんながしゃーわせになれますね(^^)

 

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真皮の硬さ

  • 2018.08.30 Thursday
  • 11:14

 

すこし日が短くなりましたね。猛暑とか酷暑の言葉を聞かない日がなかった今年の夏も終わりに近づき、そろそろ名残りを惜しんでおかないと、寒くなって行くのはあっという間です。

 

それにしてもこの夏の暑さは厳しすぎました。冷房を使わないでいると熱中症の危険性がありますし、使えば使ったでいくら高めの温度設定をしても外気温との差が大き過ぎて身体は強い冷気を浴び続けることになり、筋肉が強ばってしまいます。

 

暑さによる疲労で身体の重力バランスが乱れ、いつも以上に頚や腰に無理がかかる姿勢になっているところへ、エアコンの冷気に追い打ちをかけられる毎日ですから、不調を訴える患者さまが多く来院され、8月の診療日は例年以上に混み合いました。

 

身体の重力バランスの乱れで大きな影響を受けるのは、体幹部の中でも脊柱近くにある姿勢を保持するための筋群です。

体表近くの腕・脚を動かす筋肉ならマッサージでも適切な刺激を加えられますが、深部の筋肉に強引にアプローチしようとすると表層の筋への刺激が過剰になってしまい、筋膜の炎症を起こすことがあります。いわゆる「揉み返し」という現象です。

 

鍼治療の場合は、表層の筋への侵襲を最小限にとどめたまま深層の筋にアプローチして疲労物質の代謝を促進することができますので、鍼治療未経験の方がイメージされるよりも身体にやさしい治療法です。

 

 

さて、鍼治療の宣伝はこれくらいにしておきますが(^^; その鍼治療を行っているときに以前から気になっていることがあります。

同じ患者さまに施術しても、日によって鍼を刺入する際の皮膚の抵抗が変化するということです。いつも以上の不調を訴えられる日ほど、広範囲にその抵抗が増すように思われます。

 

人間の皮膚は3層から成ります。 外界から触れられる薄く柔らかい表皮、その下には皮革製品として鞄や靴に使われる丈夫な真皮層が人間にも存在。そして最下層に皮下脂肪をたっぷり溜め込める皮下組織(^^;

 

鍼灸師が使う鍼(毫鍼)の中でいちばん一般的な3番鍼の直径は0.20mmです。日本人の毛髪の直径が0.05〜0.15mmですから、それよりも少し太い程度です。 私の場合は臀筋などにはもう少し太い鍼、顔面などには細い鍼と部位によって違うサイズも使用しますが、それ以外のほとんどの部位は3番鍼で施術します。静脈や皮下注射に使う注射針と比較するとその直径は半分以下。注射針は液体を通過させなければならないのでその分太く、刺入時の刺激を軽減するために先端部はメスのような刃物になっています。それに対し、鍼治療の鍼は松葉の先端部のように丸みを帯びているので、組織への侵襲がとても小さいのが特徴です。

 

施術者が鍼を刺入する際に抵抗として感じるのは、おもに真皮層の硬さです。う〜ん、私は机上の物理がニガテなので、この”硬さ”を具体的に表現するモノサシを持っていません(^^; きっと弾性だとか靭性だとかそんなヤツでしょう。

 

なにしろその”硬さ”は体表から触れても感じられません。なるべく患者さまの痛覚を刺激しないようにいつも通りソフトに且つスピーディに鍼を打ち込もうとしても、いつもと違って真皮が貫けないときに、はじめて「ん!?」となるのです。もちろん再度強く叩き込んで貫通させるのですが、、

 

筋肉の強ばりは誰でも簡単に触知できますが、この真皮の硬さの変化を知るのはおそらく鍼師だけなのではないかと思われます。ほかに思い当たる職業といえば刺青の技術者くらいでしょうか。

 

真皮の厚さは2.0mm前後。それだけの厚さの真皮が全身で強ばってしまったら、それこそウェットスーツを着て動くようなもの。不調を感じても不思議ではありませんよね。ただ、どのような要因で真皮の硬さが変化するのかは私には分かりません。

また、この疑問の種明かしをしてくれる文献も思い当たらないのです。どなたかご存知の方があったら教えてくださいね(^_-)

 

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若さもいろいろ

  • 2018.07.18 Wednesday
  • 10:06

 

日々の診療では、さまざまな年齢層の患者さまとお話しをさせて頂きます。

中高年になっても若々しく見える方は、身体だけではなく心の在り方も若さを保ち続ける魅力的な方が多いように思います。

 

その”若さ”もいろいろで 自分自身が輝いていた若い頃の体力や感性をそのまま維持しようと頑張っている方もあれば、なにも頑張らず飄々としていてながら、今の若い世代の感性に苦もなくチャンネルを合わせる柔軟性が若さにつながっている方も。

 

先輩方を観察していて、自分がめざしたいのは後者だなと思っています。

 

人はある程度の年齢を重ねると、だんだん若い頃には解けなかった謎が解けるようになり、生きることに対して確信を伴う気づきが生まれてくるのがふつうです。 謎解きに苦しむ若い世代がヒントを必要としているときには、どうにか応えてあげたいと思うのが人情というもの。 しかしいくらありがたい内容のアドバイスでも、感性のチャンネルが合っていなければただの雑音にしか聴こえません。 

 

周波数が自在な人、多様性を尊重する感覚を持っている人は、それが目や表情、声のトーン、発する雰囲気などに現れています。私はそんな人に出会うと警戒心など抱かずに「この人に自分のことを聞いてもらいたい。この人の考え方をもっと知りたい」と思います。

 

反対に、性別、先輩後輩、社会的なステイタスなど、自分と相手の立ち位置をはっきりさせてからその差に応じて対応を変える人と相対すると、値踏みされていることが伝わって来て警戒心を解くことが出来ません。

 

暑さのせいで?論旨がしっちゃかめっちゃかになりましたが、結局何が言いたいかというと、若い世代に可愛がってもらえる年寄りになることが、自分のためにも世の中のためにもとても大切なんじゃないかなー、ということでした(^^)

 

 

日曜日には、これで3週連続となる奥武蔵グリーンラインへサイクリング。

下界が35℃近い日中でも稜線はだいたい28℃くらい。もうここしか走れません。 暑いしのんびり涼みながら走ろうと思っていたら、チームメイトのタツロー氏に遭遇。 息も絶え絶えになるほど引きずり回されました(>_<)  

 

まだしばらく暑い日が続きそうですね。 みなさまご自愛くださいませ(^_-)

 

 

 

 

 

 

 

 

「トシのせい」にするのはやさしさかも

  • 2018.05.29 Tuesday
  • 17:13

 

ある程度の年齢になると、通院する診療科目が複数にわたってしまうことは珍しくありません。

中高年の患者さまの中には「どこのお医者に行っても、何でも齢のせいにされておもしろくない(`ε´)」と不満を口にする方が多いのですが、この医師の対応にはやさしさが含まれているような気がしています。

 

もちろん加齢が生理的機能に及ぼす影響はとても大きくて、ある程度の年齢からはどの診療科目においても若い方とは違った所見が見られるのが一般的です。

 

加齢のほかにも症状の発現に大きく関わっているのが生活習慣です。食事や嗜好品、睡眠時間や運動の習慣など。あるいは心の在り方までもが、健康の維持に重要な意味を持っているのです。

 

加齢は誰にも起こる現象で、言ってみればお天気と同じで避けようのない因子です。しかし生活習慣は自分で管理できるもの。その長年の過ごし方が症状の原因であるとダメ出しされると、自分の人格そのものを否定されたように受け止めてしまう方がいらっしゃいます。増して生活習慣の変更を強要されることはなおさら受け容れがたく、頭では筋が通ったアドバイスであることを理解しながらも、治療家のデリカシーの欠如に対する怒りの感情を大きくすることで自分の心が守ろうとする機転がはたらいてしまうことも、、

 

自分のせいにされるより、年齢のせいにしてもらったほうが話を聴きやすいのはそういうことかと考えています。

 

医師や治療家も人間です。人は基本的に自分がされたくないと思うことは人様にはしませんし、自分がしてほしいことをしてあげたいと思うもの。「自分が患者だったらこういう対応をしてほしい」と思う対応を実際に行っているのがふつうです。

 

私自身は、遠まわしな表現をされても意図を理解できないタイプなので、患者さまに対してもずうずうしく生活習慣や心の在り方まで踏み込んでしまいがち。もちろん問診中に患者さまがどういうアプローチを望まれているかを探りながら対応を決めていくわけですが、説明に夢中になるとつい”聴きやすさ”があと回しになってしまうこともたびたびです(^^;

トシのせにするやさしさは持ち合わせていません!(≧▽≦)

 

 

痛みや苦しさはとてもイヤなものです。しかし患者さま本人にとってそれよりももっと受け容れがたいのは、次の世代の負担になることではないでしょうか。

 

患者さまが子育てされていた頃、子どもが「宿題なんかやらないで友だちと遊んでいたい」と言い出したときには「将来困るのは自分だよ」と諭したのではないでしょうか。家族内のイニシアティブは子どもたちに移行し、こんどは自らの心身を健康に保って彼らの負担にならないように過ごすことが何より大きな仕事になった今、「やりたいこと」と「やるべきこと」を彼らに諭したように、自らをを律して過ごすことが次の世代のお手本になります。

 

かく言う私自身も、あと1年ちょっとで還暦を迎えます。自分の口から出た言葉を自らにも言い聞かせて過ごしたいと思います。

 

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食事は年に一度ですむサメ

  • 2018.05.15 Tuesday
  • 15:13

 

NHKスペシャル「ブループラネット」を録画で見ました。

海とそこに暮らす生き物を追ったドキュメンタリーです。 昨年放映された「プラネットアース供廚汎韻犬BBCとの共同制作で、4年の歳月をかけて撮影されたそうです。 近年の水中撮影技術は飛躍的に進歩し、潜水時間は以前の5倍以上。 泡の音も小さくなったので、生き物たちを驚かせることなく決定的な瞬間をとらえることが出来るようになったのだとか。

 

番組の中で興味深い魚が紹介されていました。 それは「カグラザメ」という名の深海ザメ。 体長は6mほどで2000mまでの深海に生息。 Wikiにもその程度の情報しか載っていないナゾの多いサメです。

 

プランクトンがいないので生き物の個体数が少なく、捕食で命をつなぐ者にとって過酷な環境の大海原。 そこにザトウクジラの死骸が浮いています。 匂いを嗅ぎつけたホホジロザメやヨシキリザメが群がり、栄養価の高い脂肪を食べつくすと、比重が重くなった死骸は深海へ。 そこで待ち受けているのがカグラザメ。 脂肪分が剥ぎ取られたとはいえ、深海では貴重な食糧をしっかり食べたカグラザメは、その1回の食事だけで1年間も生きられるのだとか(@_@)

それを聞いた私は、「うらやましすぎる!」と心の中で叫びました。

 

子どもの頃の私は食べることが大嫌いでした。 いつもお腹が空くまえに食事の時間が来てしまい、憂鬱な気分になったものです。

世界のあちこちで食料が不足して困っている人には申し訳ないハナシですが、、(>_<)

当時ADHD気味だった私は、破裂音や閃光、皮膚感覚などの感覚過敏で苦しんでいました。 味覚も同様で好き嫌いが多く、肉・魚・ピーマンやトマトなどの香りの強い野菜はまったく食べられませんでした。 不思議と卵とエビ・カニ・イカ・タコ・貝は大好物。牛乳もキライだったなあ。

それでも中学の陸上部で長距離を走るようになると、成長期の身体が要求するのかやっと鶏以外の肉は食べられるようになりました。

 

大人になって形質がゆるんでくると感覚過敏はかなり軽くなりましたが、なかなか魚ぎらいは治りませんでした。  しかし結婚して子どもを授かると、魚を食べない父親で居ることはさすがにきまりが悪く、好きではなくてもどうにか食べられるようになって現在に至っています。

 

今でもふつうの人よりは食べることに対する執着はうすく、ふつうはおいしそう!♡となりそうなSNSのきれいな料理の画像も、スプラッター画像とあまり区別がつかないのですぐスクロールしてしまう始末。  自分で摂る食事も見た目を楽しむことなくさっさと胃袋に押し込むだけですから、つまらないことこの上ありません(^^;

 

子どものはげしい偏食が、ただのわがままだけではなく発達障害に由来することもあるということが分かってきたのは最近のこと。 子どもの感覚の特性に合わせたアプローチで好き嫌いが改善することも多いようです。 以前は親子それぞれが「きっと自分がいけないんだ」と苦しんでいたことが、脳の構造によるものであると理解できていればそれだけでずいぶん救いになる気がします。 もっと前に分かっていれば、ひょっとしたら私ももっと食事を楽しめる大人になれたかもしれません。

 

ほんとはカグラザメになんか憧れたくはないんですけどねー(^^;

 

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カグラザメの写真は「おもしろ生物図鑑」より拝借

 

 

 

 

 

 

 

 

日野原重明さん

  • 2017.09.28 Thursday
  • 18:28

 

昨朝の食事中にNHKの「おはよう日本」を見ていたら、この7月に亡くなった医師の日野原重明さんのインタビュー(亡くなる半年前に収録)が放送されていました。 

 

印象に残ったのは 「人は病を得ると本当の自分があらわれてくる」 「本当の自分と出会えることはすばらしいことだ」 という言葉。

 

当院の患者さまでも大病を経験された方が何人もいらっしゃいます。 なかには日野原さんと同じような思いに至ったことを話して下さった方もありました。

 

ランス・アームストロングという自転車選手は25才のときにガンを発症。その後闘病生活を乗り越えて、有名な自転車レースのツール・ド・フランスを7連覇しました(後にドーピング問題で剥奪されてしまうのですが、、)。 そのランスはインタビューで、「もし次に生まれかわったとき、ツールを7連覇する自転車選手としての人生と、一人のガン患者としての人生。どちらかを選べるとしたらどちらを?」 と訊かれ、「迷わず一人のガン患者としての人生を選ぶ」 と答えたそうです。 それは日野原さんの言葉とまったく同じ理由からだったと記憶しています。

 

日野原さんはたくさん本も書いていますが、私は一冊も読んだことがありません。 しかしインタビューでの彼の言葉を聞けば、どういう人であったのかは何となく理解できる気がします。きっと共感できる部分がたくさんあるのではないかと。

 

終末期医療の普及に尽力された日野原さんでも自らにその時が近いと感じる日々に 「ただ恐怖でおののいている」 と告白していました。 だからと言って彼はけして死にたくなかったわけではないのだと思います。

 

いつか私にも必ずそんな日が来るわけですが、死を忌むべきものして遠ざけないで、自らにデス・エデュケーションを課しつつ生きていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

木の芽どき

  • 2017.02.09 Thursday
  • 11:52

 

ここのところ来院される患者さまの数が増えています。 外出するのがためらわれるくらい冷え込んだ朝でも、早くから多くの患者さまがいらっしゃいます。

日によって、あるいは1日の中でも昼夜の寒暖差が大きくなる春のこれからの時期を、昔の人は ”木の芽時” と呼びました。 「きのめどき」 と読んだほうが通りが良いので、ついそう使ってしまいますが 「このめどき」 が正しい読み方なのはいちおう知ってはいましたヨ(笑)

 

昔から、木の芽時にはおもに心が不安定になりやすいと言われています。  そしてもちろん、心と密接に関係し合っている身体も同じように調いにくくなるのは不思議なことではありません。

 

木の芽時が心や身体の健康に影響を及ぼすおもな原因は一般的に 「寒暖差によって自律神経のバランスが不安定になるため」 と言われています。 しかしそれは自律神経だけの問題ではないように思います。 この時期、動物が冬眠から覚めるように人間も身体全体のシステムが秋冬の自己保存モードから春夏の活動モードに切り替わり、その際に心身が消耗するではないでしょうか。 鏡に映った自分の顔は昨日までと何も変わっていないように見えますが、季節によって劇的に変化するのはまわりの植物や動物だけではないはずですよね。

 

木の芽時という言葉からは、心がふわふわと落ち着きがなくなる状態がイメージされがちですが、じつは ”うつ” の傾向も強調されやすい時期のようです。 実際、統計的にこの先3月から5月までの自殺者数はほかの月に比べて突出して多くなっています。 決算期であることや生活環境の変化が大きい時期と重なることもありますが、やはり気候的な影響も大きいのではないでしょうか。

 

都会で生活していると、この世界がきゅうくつな人間社会だけで出来ているような錯覚に陥ってしまいがちですが、日に日に増していくお陽さまの光の強さや公園の木の芽を観察していれば、自然の一部である自分自身に日々心身の変化があっても不思議なことではないと再確認する機会になるかも知れません。 寒くて多少身体はギクシャクしますが、お天気の良い日にはぜひ外に出かけてみましょう!

 

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